廣瀬遥果:Arcadia-reverb |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 1月 19日 |
廣瀬遥果の写真作品を目にすると、深い青にまず目を奪われ、静けさと透明感のある異世界にさまよい込むように感じます。その異世界は、見た事の無い世界というよりはどこか懐かしい世界で、薄い膜を通して自分の過去の記憶を覗き込むような感覚に陥りノスタルジックな気持ちになります。作品の中の風景は、霧の漂う林の中、クモの巣にかかる雨粒、ピアノのある教室、といった私達の身近なものにも関わらず、『廣瀬遥果』というレンズを通すことによって、それらは 象徴になるのです。つくり込まれた舞台装置ではなく何気ない日常の風景が象徴と化し、絵画のような雰囲気の写真作品なのは、廣瀬がもともとペインティングを専攻していたからかも知れません。ほとんど人物が出てこないにもかかわらず、何かそこに居るような気配が感じられ、私たち自身もその場に居るような感覚になる、そういう瑞々しさがある作品です。 今回の展覧会では、前回個展の「Arcadia」シリーズをさらに展開し、「Arcadia-reverb」として新作を発表します。 廣瀬遥果 Haruka Hirose ※全文提供: ギャラリー・テラ・トーキョー 会期: 2011年2月5日(土)-2011年2月26日(土) |
最終更新 2011年 2月 05日 |