小沢裕子・間部功夫:富士山と富士山 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 03日 |
小沢裕子、間部功夫は、2000年代後半に武蔵野美術大学を卒業、共に映像作品を手がけ、個展を始め数々のグループ展に参加、今後の活躍が期待される若手作家です。 小沢の代表的な作品の一つに、動画共有サイト“YouTube”で見つけた、見ず知らずの外国人の少女が演説する映像に、小沢自身が字幕を付けたものがあります。少しの間その映像を見ていれば、実際そこで話されている内容と、字幕の内容とが、 全く無関係であり、字幕は小沢によって創作されたものだと気付き始めます。ただその事実に気付いたとしても、創作された字幕によって、見ず知らずの他人が外国語で演説している映像に、見るものを魅了する新しいストーリーや世界観が生まれ、それと同時に虚と実の境界線は溶けはじめていきます。 一方の間部は、映像作品を制作する他に、VIDEOTAPEMUSIC名義での音楽活動もおこない、共にサンプリングの手法を用いた作品を多く発表しています。間部の「Everything is a message」は、街中にあふれる看板の文字部分を抜き出し、再構成して作り上げた映像作品です。間部は、現代の街の風景を作り上げている、看板のメッセージの存在に強く惹かれると言います。看板の無数のメッセージは、行き交う人々の多くに無視されながらも、輝き、街を埋め尽くすように垂れ流され続けます。間部の作品では、そうしたメッセージは再構成され、当初の場所や意味からもはぎ取られ、ただ宛もなく浮遊しているかのような印象を受けます。 物事の目に見える表面とその内側に備えられた意味、その二つのバランスを崩し、新しく組み変える事で、我々を取り巻く世界の成り立ちを問う2人の映像作家。是非この機会に多くの方々にご覧いただければと思います。 関連イベント ■3月10日(木)19:00〜 ゲストトーク ■3月12日(土)19:00〜 映像上映&パフォーマンスイベント ■3月13日(日) 15:00〜 Pre Ongoing School ※全文提供: Art Center Ongoing 会期: 2011年3月2日(水)-2011年3月13日(日) |
最終更新 2011年 3月 02日 |