重野克明:ローズワールド•色付き |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 09日 |
重野克明は東京藝術大学で油画を学び2003年東京藝術大学大学院修士課程芸術研究科版画専攻修了致しました。銅版画、リトグラフ、油彩、ドローイングなど幅広い表現で作品を発表しています。また本の挿画や舞台美術でも注目を集めています。しかし彼は多くの情報に振り回されている現代の人とは違ったスタンスで自由に制作を続けています。 『 私は作品を作るとき、まず題名となる言葉を決めます。その言葉に沿って画面を作ってゆきます。 そんな彼は留まり記憶と想像を結びつけ懐かしくも見た事ない情景を描きます。その絵は物語性をもちながらも、一瞬にしてすべてを語る絵画として成立し新鮮さと懐かしさを同時に与えます。 重野は20世紀のフランスに憧れていた芸術家の精神を今日に反映させ描き続ける画家です。立ち止まり進まない姿勢によって描かれた重野の作品は、淡い水墨画や文人画のような水彩の曖昧な表現にも関わらず強い存在感をもち彼の強い信念の反映のようでもあります。 ゆるすぎず固すぎない、それでいてちょうど良い訳でもない不安定さとぎこちなさを直球でみせる重野の作品は真面目なのか不真面目なのかわからない、笑っていいのか躊躇させる言葉につくせない人間の様々な心情が混在しています。 重野の画面は大衆文学の楽しく明るいものや、エンターテイメント性より、何度も読み返し楽しめる純文学の日々の生活の抑揚の無い現実に潜む心の中の情景として現代人の心に染み渡ります。重野のテーマは様々でもその一貫性は心の中のリアリティーによりぶれない強みが根底にあります。 今年一月に日本橋高島屋Xでの展示はモノトーンの作品を中心に、色が無いにも関わらず、筆の筆致や素材、和紙や絹など様々な支持体を駆使して豊な表現を画廊いっぱいに描ききり、見るものの度肝を抜き、新たな絵画の可能性をつきつけました。今展ではタイトルどおり色が加わり、モノトーンよりはちょっと明るいかもしれないかすかな色彩がさらに豊な表現の作品を披露します。限られた空間に選りすぐりの作品で重野ワールドを展開致します。 ※全文提供: メグミオギタギャラリー 会期: 2011年3月31日(木)-2011年4月23日(土) |
最終更新 2011年 3月 31日 |