金理有:ceramics as new exoticism |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 6月 09日 |
金理有の作品は、カッと大きく見開いた「一つ目」が印象的な、黒いメタリックの壷形の陶のオブジェです。大きさは高さ30~80cm。黒色や燻銀色の中に、油膜を張ったような七彩がきらめく滑らかな土肌は、一見して金属を連想させます。表面を端正な幾何学模様の溝で埋め尽くされた作品では、未知の高い文明がもたらした宇宙船のような、ダイナミックなイメージを感じさせます。その独特の造形性と、素材の完成度の高さから、力強い存在感のある作品です。 金理有は大阪芸術大学大学院で陶芸を学んだ30才の作家ですが、すでに数多くのグループ展、個展などで高い評価を得ています。 その制作ソースには、同時代のヒップホップ、ブラックカルチャー、妖怪、SFアニメや映画の影響があります。また陶芸を始めてから、縄文土器や青銅器にも惹かれ、未来的なニュアンスと古代的なニュアンスがミックスされたものを考えて制作をしています。強烈な「一つ目」は、陶芸では土の「肌」や壷の「口」、「肩」と、擬人化した名称を使うことから連想した具象的なモチーフに、独自のイメージを加えたものから生まれました。 最近では壷形だけでなく、150cmほどの丸みを帯びたテント形の作品や舟形などの作品も制作され、次々と具現化されていくその世界の豊かさ、広さ、楽しさを感じさせます。 今展ではインスタレーションを含んだ2点を展示致します。 金理有の新作をぜひご覧ください。 金理有 ※全文提供: INAXギャラリー 会期: 2010年6月4日-2010年7月6日 |
最終更新 2010年 6月 04日 |