目の色も鳴き声も肉球のにおいも、何もかも私の中にしみこんでいる。 彼女はカメラが嫌いで、私もあまりレンズを向けることはなかった。 今年の春、彼女は長年の住処を旅立った。 本当に最期の旅に出て帰ってはくれなかった。 ありがとう、と冷たくなった身体を抱く事も出来ず、ただ彼女が居なくなった実家に帰り、ああ、居なくなったのだと確認する事がせきのやまだった。 何も変わらないといえば嘘になるのだろうか。 変わってしまったと言えば過去のものにしてしまえるのか。 一度しまったものを掘り起こしてみるのもいい。 全て、無しにする事なんて出来ないんだから。 (新作カラープリント約15点)
更新:2010年12月22日
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