展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2011年 5月 10日 |
ネットスラングをご存知だろうか。その中に「厨二病・メンヘラ(wiki参照)」という言葉が存在する。
これらは本来の意味合いではなくネットスラングとしての言葉であり、ネタ・蔑称として使用されている。
ただし、人によっては失礼・低俗だという意見があり、不快感を与える場合がある。 イラストや絵画においてでも、内向的な精神世界、非現実的な妄想世界、自己顕示欲や自己陶酔、童貞臭など「痛い」表現を含むものを「厨二病」、自傷的で病的な表現を含むものを「メンヘラ」とネット上、または実際に呼称
することが着々と蔓延しつつある。
特に具象表現に呼称されることが多く、鑑賞者に分かりやすい形で内面の感情表現、自己投影させた作品が少なく
ないからだ。 さらに作家達は、曖昧で詩的な痛々しいステートメントをさぞ当たり前のように書き綴ってきた。
今も昔も厨二病は存在していながら、今まで一般的に代用する言葉が無かったのだ。 90年代後半、サブカルチャーは多くの厨二病作品を生んだ。そしてゼロ年代に急増した動画サイトやSNSによるネッ
ト人口の拡大により、ブログやTwitterでの心情の吐露や自身の作品をネット上にアップするなどの表現の場が設けられた。 さらにネットの匿名性はトラウマや羞恥心を解放し、多くの厨二病やメンヘラを発生させるに至った。 厨二病作品の影響を受けた世代が厨二病作品を作り、痛さをネタにする。今回の展示は言わばメタ的作品であり、
アートにおいて「厨二病・メンヘラ」というジャンルの確立を推奨するものである。
河合悟 1987 名古屋市生まれ 2006 名古屋芸術大学造形学科 中退
個展 2011 「メンヘラと廚二病」ギャラリーQ、東京
全文提供: Gallery Q
会期: 2011年5月16日(月)-2011年5月21日(土) 会場: Gallery Q
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最終更新 2011年 5月 16日 |