小山市制60周年・車屋美術館開館5周年記念「Mother/Land」 |
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Published: June 30 2014 |
There are no translations available. 土地、ひと、いたみ、そして育み 全ての人に母国(マザーランド)はありますが、平穏な日常においてそれを意識することはあまりないでしよう。それは多くの場合、その土地を離れて暮らす移住者や、非日常時において強く憶われる、象徴としての土地や人々であり、自らのアイデンティティーが帰属する、政治・社会的な出身国を指します。母なるふるさととしてのセンチメンタルなイメージとともに、ナショナリスティックな響きを内包する言葉です。 3年前の東日本大震災では、地震と津波そして原発事故が一瞬にして土地と人を奪い、移住せしめ、多くのいたみが生まれました。被災者はもちろん、そうでない個々であっても、そのいたみを克服したいと強く願い、私達の多くは国や人々を想う気持ちが強くなったのではないでしょうか。そして個人主義的社会のなかで失われていた、人々の共同意識や民族意識は、この災害を契機に呼び覚まされました。これらの意識は、災害支援や復興活動において極めて献身的かつ創造的な行動を生み出す一方で、他者を差別し憎悪表現をすることでいたみを癒そうとする行動が現れてきた事実も見逃す事はできません。 本展では、タイトルのマザーとランドの間に斜線を記すことで一語を分断し国家主義的概念の解消を表明しています。そしてこの区切りが母性を強調し、私達の生存に不可欠な育成のアプローチ、大地の育みを虜らせずにおかないことを主張しています。8組のアーティストの作品をとおして、かけがえのない日常や人々に向きあい、慈しむ機会を共有したいと考えております。 参加作家:古郷卓司、鳥光桃代、守章、安田佐智種、Nicholas Galanin, Shigeyuki 全文提供:小山市立車屋美術館 会期:2014年6月28日(土)~2014年9月7日(日) |
Last Updated on June 28 2014 |