展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 4月 28日 |
我々は、眼前のごく限られた情景さえも真につぶさには捉えておらず、 視界の外側にある大部分に至っては、ひどく大雑把な捏造、妄想のもとに世界を構築しながら生きている。
だとすれば、眼前に、または壁の向こうに、黒い何かがあると感じられる瞬間、 少なくとも天井裏の排気ダクトより切実に、我々の世界にグチックが存在したといえるのではないだろうか。 (作家ステートメントより)
作家略歴 1972 大阪生まれ 1995 東京造形大学 美術学科1類 卒業 2003~ 個展「GUTIC STUDY」(Gallery H.O.T、GALLERY wks.等) 2008 「うちゅうのたまご」(piaNPOビル/大阪) 2008 「gallerism 2008 -画廊の視点-」(大阪府立現代美術センター/大阪) 2009 「transmutation」(東京造形大学附属横山記念マンズー美術館/東京) 2009 「P&E 2009」(ARTCOURT Gallery/大阪) 2009 「Mirage」(同志社大学京田辺校/京都) 作家ウェブサイト http://www.gutic.com
※全文提供: studio90
会期: 2010年5月8日-2010年6月13日
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最終更新 2010年 5月 08日 |
編集部ノート 執筆:平田剛志
暗闇のなかに何かが「見える」。その気配や存在を「ある」と認識させるものは何なのか。それは本展を「経験」すればわかるかもしれない。鑑賞者はたった一人でこの会場に入り、暗闇の中で「GUTIC」と向き合う時間を過ごさなければならない。そこであなたの身の上に起こる変化や感情の動きこそ、「GUTIC」が創出したものに他ならない。私たちは暗闇の中で見ることを問い、疑い、考え、そしてよく見ようとする。その見ることの揺らぎはこれまでとは異なる視覚・知覚経験となるだろう。
有史以前、洞窟の中に壁画が描かれたように、暗闇の中に人類は「絵画」を見てきた。だとすれば、山岡の本展もイメージの起源を求める試みなのかもしれない。