宇佐美圭司回顧展 絵画のロゴス |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2016年 2月 12日 |
宇佐美圭司は、現代美術を扱うパイオニア的な場であった南画廊で1963(昭和38)年、彗星のごとくデビューして以来、日本を代表する画家として活躍を続けてきた。その制作は、今日の美術の問題を絵画によって明示し、それに回答を試みるものであった。 1940(昭和15)年、大阪府吹田市に生まれた宇佐美は、画家を志して独学で制作を始め、南画廊での初個展で注目を集めて以後、個展を中心に作品発表を続けた。画面の抽象化を徹底的に押し進めた《還元》シリーズの後、徐々に画面に現れた人間の身体の形は、1965(昭和40)年の『ライフ』誌に掲載されたワッツ暴動の写真から抜き出された4つの人型に集約され、以後の作品の基本的な主題となっていく。1972(昭和47)年の「第36回ヴェネツィア・ビエンナーレ」では日本代表に選ばれるなど、その作品は高く評価され、また多摩美術大学、武蔵野美術大学、京都市立芸術大学で教鞭を執り、後進の育成にも当たった。著述も活発に行い、1980(昭和55)年の『絵画論』など美術についての論考も多く発表し、ルネサンス以来の知性の業としての美術を追求し続けた。 この展覧会は、宇佐美が2012(平成24)年に没してから、関西圏ではその画業を見直す初の機会である。画家を志した時期の水彩から遺作となった作品まで、約60点でその歩みを振り返る。 ■観覧料 : 一般510(410)円、大学生300(250)円 ( )内は20名以上の団体料金 ■講演会:岡﨑乾二郎氏(武蔵野美術大学客員教授) ■フロアレクチャー(担当学芸員による展示解説):3月13日(日)、20日(日・祝)、4月2日(土)、17日(日) 全文提供:和歌山県立近代美術館 会期:2016年3月1日(火) 〜 2016年4月17日(日) |
最終更新 2016年 3月 01日 |