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Published: September 18 2012 |
木漏れ日に包まれる風景、闇に浮かぶランプの灯り、眠る人やまくら、ベッド、さまざまなモチーフの向こう側に描かれているのは、静寂の中に佇む安らぎ、またそのものに出会った時に生まれる温かく満ち足りた感覚。 10年余りバンコクと東京を行き来しながら、制作を続け、そんな作品を描き続けて来た小林孝亘が、今回初の制作となる銅版画に挑みました。 生み出された作品には、柔らかく包み込むような美しいトーンの中で味わう小林の独特な世界観と、新たな魅力の発見があります。
[作家コメント] 今回、銅版画を制作するにあたって、ペインティングやドローイングではなく、銅版画だからできる表現になればと思いました。
当初、できるだけ最小限に手を入れて(ガリガリと描き込まないで)成り立たせることは出来ないものかと思っていまし た。線的要素が強いイメージは、ドローイング的な、いい意味での軽さがでて割合とすんなり出来たかなと思っていますが、トーンを重ねて作っていくタイプのものは、ハッチングで描く部分も増やしながら、初めて試みる技法を取り入れたりして、試行錯誤しながら進めていきました。
内容的には、今までペインティングでも描いたものの延長線上にあるイメージで、枕などの、自分にとっては普遍的と思える日常の中の現実的なイメージと、このところ出てきている、物語性のある非現実的なイメージとが混ざり合っています。一見対極にあるようなイメージですが、自分ではどちらも 同じ要素 を持つ作品として描いています。
先日はじめて試したモノタイプは、自分にとっては新鮮で、ペインティングでは定着できない、完成度が増すことによって消えてしまう描き始めの新鮮なイメージを定着できる可能性があるのではないかと思いました。
[作家プロフィール] 小林 孝亘/Yakanobu Kobayashi
1960 東京都生まれ 1986 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業 1996 文化庁芸術家在外研修員としてタイ、バンコクに1年間滞在 1998 アートスコープ'98ガスコーニュ・ジャパニーズ・アート・スカラシップ 派遣アーティストとして、フランスのロット・エ・ガロンヌに3ヶ月滞在 1999 バンコクに移住 現在バンコクと日本を行き来しながら制作を続ける。
[主な展覧会] 2012 「国立国際美術館開館35周年記念展 コレクションの誘惑」国立国際美館 「DOMANI・明日展 45周年特別展示」国立新美術館、東京 「呼びとめられたものの光」 名古屋ボストン美術館、愛知(2010~) 2011 「Dream, dreaming us」100トンソンギャラリー、バンコク 「コレクション3 日本美術 1950-2010」 国立国際美術館(2010~) 2010 個展「夏の月」西村画廊 「陰影礼讃-国立美術館コレクションによる」 国立新美術館 「大原美術館名品展-モネ、マティスから濱田庄司まで」 宇都宮美術館 「魅力発見!ニッポンの油絵」 栃木県立美術館 「絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から」 国立国際美術館」 「ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション」霧島アートの森、札幌芸術の森、上野の森美術館(2008~) 2009 「眼を閉じて-“見ること”の現在」 茨城県立近代美術館 「放課後のはらっぱ-櫃田伸也とその教え子たち」 愛知県美術館 2008 個展「遠い月」西村画廊 2005 「風景遊歩」 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川 2004 個展「小林孝亘展-終わらない夏」 目黒区美術館、東京 「アートスコープ ダイムラークライスラージャパン」ダイムラークライスラーコンテンポラリー、ベルリン 2003 個展 「ひかりのあるところへ」 熊野古道なかへち美術館、和歌山 「DOMANI・明日展」 損保ジャパン東郷青児美術館 「MOTアニュアル2003 おだやかな日々」 東京都現代美術館 2000 「近作展 23」国立国際美術館、大阪 1996 「VOCA展\'96 奨励賞 受賞 上野の森美術館 東京 など
<<パブリックコレクション>> 国際交流基金、シラパコーン大学、広島市現代美術館、国立国際美術館、群馬県立館林美術館、ダイムラー・クライスラー・ファウンデーション・イン・ジャパン、北海道立釧路芸術館、 水戸芸術館、東京都現代美術館、大原美術館 、高松市美術館
オープニングレセプション 10月6日(土)18:00 - 20:00
全文提供:KIDO Press,Inc.
会期:2012.10.6~2012.11.10 時間:12:00 - 19:00 closed on Sunday, Monday, and national holidays 会場:KIDO Press,Inc.
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Last Updated on October 06 2012 |