展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2011年 5月 18日 |
一版多色刷り木版を中心に、女の子たちの頭の上にキノコやネコやキツネが生えたり、かぶさったりと、 奇快と可愛らしさが同居する不思議な世界を表現して来た。 本展では木版はあくまでもベースであり手彩色がメインとなる。水性・油性木版の質感の違いに加えて、 当初より使用していた色鉛筆、顔料による手彩色を多用したことより画面のディテールはその美しさを増した。 また綿布にペインティングやコラージュにも挑戦する。
作家コメント 絵を描いていると、マラソンでいうところのランナーズハイのような領域に入ることがある。 そこはとても静かな空間で、イヤホンから流れる大音量の音楽もどこか遠くに処理されてしまう。 だから私は耳鳴りを聞いているような錯覚に陥る。 自分がすごく広い空間にいる気もするし、すぐそこに終わりがあるような気もする。 よるの縁を進んでいくこの行為は、だけど嫌なものではない。
そんな場所で生まれた彼女たちの白い皮膚が柔らかいものでありますように。
中田真央 1981年 静岡生まれ 2004年 名古屋芸術大学美術学部絵画専攻卒業 2006年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
[個展] 2007年 「MAO NAKADA EXHIBITION」 SPOON+BREAD 東京 2008・09・10年 ガレリア・グラフィカbis 東京
[グループ展] 2004年 「K-109展」買い上げ賞 矢田市民ギャラリー 愛知 2005年 鹿沼市立川上澄夫美術館木版画大賞/飛騨高山現代木版画ビエンナーレ/山本鼎版画大賞展 2006年 浜松市美術館版画大賞展/「石川丘子・中田真央 二人展」 ガレリア・グラフィカbis 東京 「版画5美大展 by 10Artists Vol.1」 東京/静岡県芸術祭 後援者賞 2007年 「Contemporary Artist 4」 Zainul Gallery バングラディッシュ/「7seasons~木版画7人展」 ギャラリー青羅 東京 (・08) 静岡県版画大賞展 県知事賞/第8回インターナショナル・イラストレーション・コンペティション 佳作 あおもり国際版画トリエンナーレ2007 2008年 高知国際版画トリエンナーレ展 2009年 東京コンテンポラリーアートフェア2009(TCAF 2009) 東京美術倶楽部 東京
※全文提供: ガレリア・グラフィカ
会期: 2011年6月20日(月)-2011年7月2日(土) 会場: ガレリア・グラフィカbis
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最終更新 2011年 6月 20日 |
編集部ノート 執筆:田中 みずき
木版に手彩色を加えた画に描かれているのは、動物等と組み合わされた現代の若い女性像。この二つのモチーフを聞くと可愛い雰囲気の作品を思い浮かべがちだが、実際には奇妙でエロティックな作品となっている。出品されている大小9作の中で何枚かのモチーフになっているのは、葛飾北斎の「蛸と海女」(1820年頃)を連想させる、蛸が女性に絡まる姿。エログロを表に出しながら版画の歴史をも感じさせる作品に注目したい。