特別展示 早川良雄ポスター展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 1月 19日 |
早川良雄氏(1917-2009)のデザイナーとしての出発点は、戦前の三越百貨店時代にまでさかのぼります。戦時中は5年にも及ぶ中国大陸での兵役を経て、復員後の1948年からは、近鉄百貨店宣伝部に勤務しました。その後、1951年には亀倉雄策らと日本宣伝美術会を結成し、1955年には国際グラフィックデザイナー連盟初の日本人会員となりました。 1954年に早川良雄デザイン事務所を開設し独立して以降は、長年にわたって、東京と大阪の両都市を拠点に、ポスターだけでなく、本の装丁やパブリック・アート、「顔たち」や「形状」シリーズに代表さ れる絵画作品など、幅広い創作活動を展開しました。それら日本の伝統美を意識させる斬新なデザインは、海外でも高い評価を受けました。 今回の 60点を超える出品作の大半は、1999年に早川氏本人より当館に寄贈されたものです。早川氏と当館とは、1977年に、当館が万博記念公園に開館した際、開館ポスターとロゴタイプの制作を依頼して以来のつながりがあり、2004年の中之島移転の際には、新しいシンボル・マークの制作もお願いしました。 残念ながら、2009年3月に早川氏は逝去され、2010年1月には、東京国立近代美術館で回顧展が開催されましたが、早川氏の出身地であり、初期の活動の拠点でもあった大阪の地でも、あらためて早川氏の作品を振り返り、再評価の機会になればとの思いで、本展覧会を企画するものです。 早川氏のグラフィック・デザインの魅力である、日本的モダニズムやユーモラスで大胆なイラストレーション、美しい色彩感覚といった特徴を、初期から晩年までの作風を振り返る中から再検証したいと 考えます。また、そのような機会として、本展が有意義なものになることを期待するものです。 【関連イベント】 ※全文提供: 国立国際美術館 会場: 国立国際美術館 地下2 階展示場 |
最終更新 2011年 3月 05日 |