建築系ラジオとその仲間たち「画像建築展」 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 1月 16日 |
彦坂尚嘉企画による1dayイベント。当日は建築画像の展示のほか、シンポジウムおよび建築系ラジオの収録を予定しています。 建築を写真に撮ろうとすると、写らない。写らないという意味は、肉眼で、その建築の内部や外部を見ている時の実感が、写真のファインダーを通してみると見えないないのです。それは 写真のレンズが単眼であることや、視野が狭いことがあるのです。 写真というものが持つ特性は、何も建築を撮影する時にだけ起きるのではないのですが、建築においては特に意識されるように思います。それでも建築は写真に撮られているし、写真を通して私たちは多くの建築を体験することになるのです。 絵画でも写真に写らないものがあって、実物を見ないと絵画に対する判断を間違えるのです。が、にもかかわらずアンドレマルローの「空想の美術館」の指摘のように、《近代》のモダンペインティングというのは、実は画集として流通する印刷美術であったのです。つまり実際の作品は原画に過ぎなくて、私たちの絵画鑑賞の大半は、印刷絵画によるものだったのです。実は建築においても、建築写真という画像が流通することで大きな影響を持った時代であったのです。つまりベンヤミンが指摘したように複製建築の時代が《近代》であったのです。 建築はものであるので、実物よりも写真や画像としての建築だけがあればよいという、建造されない建築(アンビルドの建築)の考え方は愚かなもののはずです。しかしアンビルドの建築は、実は生産性を持ってきたように思います。必要なのは実物の建築ではなくて、建築の画像だけなのだとする考えは、まったくの「さかしま」であるにもかかわらず、奇妙な真実を指し示しているように私には思えます。実際アンビルドの試行の面を抜きにしては、建築の歴史は無かったのです。画像だけの建築は、制作費は安いのですが、だからといって簡単という訳でもないのです。実用建築とは、画像建築はどこかで何かが根本的に違うのです。それは何なのでしょうか? 参加作家 【スケジュール】 ※全文提供: マキイマサルファインアーツ 会期: 2011年1月19日(水) |
最終更新 2011年 1月 19日 |