浅野綾花展「もう一度会ってから、グッバイね。」 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2016年 4月 29日 |
食品の包み紙など「贈り物の痕跡」のコラージュと思い入れのある人物の銅版画を結合させ、記憶の中のさまざまな感情を表現します。贈り物といっても誕生日やクリスマスなどの特別な日のプレゼントではなく、主に日常の中で親しい人が何気なくくれた、ささやかなものたちです。それらを受け取ったときの感情から作品の基調色を決め、その感情とつながる人物の顔をモチーフに選んでいます。 「君とデートがしたい」(2015年、エッチング、コラージュ、50×40センチ)であれば、モチーフは母親が送ってくれた紅茶のパッケージの箱と小学校の同級生にもらったミネラルウォーターのラベル、そして銅版画で表す香港の映画スター、トニー・レオンの顔。「ごほうびの日」(同)であれば、自分で自分に買ったアクセサリーの袋とあこがれの女優、蒼井優をイメージした女性の顔。人物の顔とともに、ものも主役にしているのが大きな特徴です。 「贈り物の痕跡」を手がかりに、それを受け取ったときの感情を思い出すというのは、一見感傷的な制作スタイルですが、浅野はものを直接紙に貼り鋼鉄のプレス機にかけることによって、記憶の中の感情を突き放しました。今回の個展では、今年訪れた台北や東京とつながりのある新作も数多く出品します。 全文提供:橘画廊 会期:2016年5月25日(水) 〜 2016年6月18日(土) |
最終更新 2016年 5月 25日 |