橋本平八と北園克衛展 異色の芸術家兄弟 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 8月 06日 |
橋本平八と北園克衛(本名:橋本健吉)は、現在の三重県伊勢市出身の芸術家兄弟です。 一方、北園克衛は、橋本平八の弟として1902(明治35)年に生まれました。新聞記者を志して上京した北園は、1923(大正12)年、『文章倶楽部』に詩を発表、また未来派、立体派、表現派、ダダの影響を受け、『GE・GJMGJGAM・PRRR・GJMGEM』を創刊するなど前衛詩の分野で活動を開始します。1928(昭和3)年には「日本におけるシュルレアリズムの宣言」を上田敏雄らと発表、1935(昭和10)年にはVOU倶楽部を結成して機関誌『VOU』を発行しました。北園は写真によるプラスティック・ポエム(造形詩)の制作、書籍装幀なども行い、1978(昭和53)年に亡くなるまで詩作と造形双方に及ぶ活動を展開しました。 伝統的造形世界を常に意識していた兄橋本平八と、前衛詩人として活動を続けた弟北園克衛は一見対照的な存在です。しかし、北園が「私に芸術を吹きこんだのはこの兄であった」(1973年)と書き記したことからもわかるように、二人の芸術は互いの交流を通じて形成されたと考えられます。 橋本平八については、未紹介の手記や書簡、絵画作品等が近年確認され、北園克衛については、在米の北園研究家ジョン・ソルト氏が長年にわたって収集した資料の調査が行われて、今回初めて公開されることになりました。 本展では、こうした近年の調査研究成果を活かして橋本平八と北園克衛の全体像を紹介するとともに、兄弟の様々な交流が各人の芸術世界形成にどのように作用したかを検証します。 ※全文提供: 三重県立美術館 会期: 2010年8月7日(土)-2010年10月11日(月・祝) |
最終更新 2010年 8月 07日 |