上田奈保:赤ずきんちゃんのレシピ |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 6月 25日 |
1972年高知県生まれの上田奈保は地元高知を中心に作品を発表し、1997年「VOCA展」では高知県立美術館長(当時)の鍵岡正謹氏より推薦され奨励賞を受賞しました。鎌倉画廊では、2008年のグループ展での発表に続く個展開催となります。上田の作品は画面上に走る帯状の色彩の連続や絵の具の滴りが特徴的で、そのなかに人物や自動車、果実、植物、日常の道具などが断片的に描きこまれ、抽象画と具象画とが交錯しているかのような独特の作風が観るものの心をひきつけます。時に柔らかな、時に硬質なその筆触や、透明感のある艶やかさと混沌とが同居する色調。しばしばその魅力は視覚的・技術的双方について、「特異」で「謎」めいた絵画世界と評されてきました。 昨年、私生活において出産したことで作家としての表現にも変化が加わり、今展で発表する新作ではサブタイトルの「赤ずきんちゃんのレシピ」をテーマに、食材や調理器具など、より生活に身近なモチーフが見え隠れしています。「『今晩のおかず』ばかり考えるようになりまして・・・」と料理のレシピのメモを取る日々のなかで、作品に対しても「レシピ」のようなものを書き出し、丁寧に調理をするように絵画を構築していく作業は作家として新たな作品世界を生み出していく試みでもあります。今展では、ジャムを作ることを想定して描かれた組作品を含め、50号サイズから小品までの新作約10点を展示致します。高知県外での個展としては実に10年ぶりとなる新作展。充実の発展途上にある上田作品、その新たな展開をぜひご高覧下さい。 上田 奈保 主な個展 主なグループ展 受賞 コレクション ※全文提供: 鎌倉画廊 |
最終更新 2010年 6月 26日 |