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Drawings
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 3月 13日

押江千衣子《シャワー》2009年 watercolor on paper、45.4 x 38.2cm copy right(c) Chieko OSHIE / Courtesy of Nishimura Gallery

曽谷朝絵《Air-4》2008年 watercolor on paper、38 x 56cm copy right(c) Asae SOYA / Courtesy of Nishimura Gallery

押江千衣子、曽谷朝絵を中心に舟越桂、小林孝亘、樋口佳絵ら当画廊で定期的に個展を開催している人気作家の新作ドローイングに加え、これまで未発表となっていた旧作をあわせたドローイング展です。

押江は昨年、大原美術館が実施する美術家滞在制作プログラム、「アーティストインレジデンス ARKO2008」に参加しました。洋画家児島虎次郎の旧アトリエ無為村荘におよそ3 ヶ月間滞在し、倉敷の豊かな自然の中で制作をすすめました。外界との接触を最小限に保ち、一定期間山や木々と真摯に向き合うことで、押江の得意とする森や草花の瑞々しさや対象とそれを取り巻く空間とが一体となった臨場感などの表現に更なる磨きがかかることとなります。アトリエから出て、庭にある木の存在を感じながら実物を見て描くという事は、時間の移り変わりとともに変化する日差しや影などを相手に、今描いている目の前にあることだけを記録するということであり、そこでしかできない貴重な経験だったと作家は言います。今回の展覧会では、油彩作品の完成度につながる試行錯誤の跡を垣間見ることのできる山や木々を描いた新作ドローイング「こだま」、「シャワー」などの新作4 点をはじめとし、2003 年から2005 年に文化庁新進芸術家海外留学制度でベルギー滞在中に描きためたヌードシリーズやヨウシュヤマゴボウをモチーフに、押江の作品を特徴づけるオイルパステルを用いて独自の観点から対象の形状や色彩を表現し注目を集めた当時の旧作を発表いたします。

また、繊細なタッチと巧みな色使いで個性を確立している曽谷朝絵は、透明感あふれる心地のよさを感じさせる森が主題の「Air」シリーズを展示いたします。バスタブを描いた油彩で非凡な才能が認知され、2007 年に開催された当画廊での個展も好評を得た人気作家の新たな可能性を体感できるドローイング作品です。弾む様に自由にひかれた筆触は、森のなかでざわめく草花や木々を連想させ、鮮やかな色彩は森を実際のそれ以上に光に溢れ、明るく華やかな世界へと変貌させているかのようです。また、このシリーズ「Air」は、大阪梅田のブリーゼタワーで壁画として1 階から6 階の吹き抜け部分に施され、たくさんの人の目を楽しませています。 その他毎日芸術賞や、文化庁が芸術分野で優れた業績を残した人物に贈る2008 年度芸術選奨文部科学大臣賞を立て続けに受賞し第一線での活躍が目覚ましい舟越桂の新作、そして当画廊の2009 年第一弾の個展が好評を得た樋口佳絵による初めてのドローイング作品など、作家たちのひと味違った一面に出会うことのできる貴重な作品の数々にどうぞご期待下さい。

※全文提供: 西村画廊


会期: 2009年4月7日~2009年5月9日

最終更新 2009年 4月 07日
 

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