| EN |

佐藤裕一郎:新世代への視点 2009
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 7月 31日

20枚のパネルからなる、総長18メートルもの大作≪shadow in soil≫(パネル・和紙・顔料・染料・金属粉、227cm×18m)が展示室壁面に添うように展示されている。昨年同所での個展で発表した作品が〈静〉ならば今回は〈動〉であり、光や風のような一定のかたちを持たないもののダイナミズムがそこにはある。おそらく佐藤が描こうとしているものは壮大だがきわめてシンプルな現象と想像するが、それを作品として結実させるための努力を厭わない愚直なまでの誠実さが絵画を貫いている。展示空間に身を置くことが絶対的に必要とされる、私たちのからだを外に向かって〈開かせる〉作品である。

最終更新 2015年 11月 04日
 

関連情報


| EN |