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青木淳:夏休みの植物群
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 7月 30日

© Jun Aoki & Associates 2009 Courtesy of TARO NASU copy right(c) Jun AOKI

青木淳の「自由研究」夏休みの植物群
植物群 TARO NASUという東神田の襞の奥で夏休みに起きていること

道に面した古い建物の脇を奥に進んで、扉を開けると、そのすぐ先に、まっすぐ下に向かう階段があって、それを降り切った背の高い空間が、TARO NASUのギャラリーだ。町とはつながっているけれど、町の襞の奥深くにあって、表の町とは別の世界が息づいているような感じがする。その襞の奥は、普段、白い光の粒が均一に満ちている。しかし、時は夏休みの8月。 光は消され、きっと、暗闇が支配しているはずだ。そして、それもTARO NASU の空間のもうひとつ顔なのだ、と、この空間をデザインしたぼくは思っている。

夏休み、TARO NASUという東神田の襞の奥、その暖かく湿っぽい暗闇のなかで起きていることを想像する。たとえば、植物が、人知れず、独自の進化をとげている。暗闇という水で満ちた地下プールの底で、重力が弱まって、粘菌類が、ふわふわと、肥大している。あたりを探る小さな光を獲得したツタ植物が、互いに互いを照らして出している。(青木淳)

今回の展覧会では上記のコンセプトにもとづき、青木淳のイマジネーションから生まれた「植物」の立体作品を展示します。青木淳が自らのデザインした画廊スペースで自らの創造物を展示する、これは大好評を博したTARO NASU OSAKAでの個展「taronasubambi」につぐ2度目の試みです。自らデザインした空間を読み解くこと。空間の新しさを発見すること。展示をかえるたびに変化していくギャラリー空間の、そのとらえどころのない魅力そのものを呈示すること。オトナ版夏休みの宿題ともいえる、知的な遊び心いっぱいの企画です。本展覧会では、3枚組平面作品連作に加えて、新作の立体作品群を展示する予定です。 なおこの展覧会は、ARCHITECT TOKYO 2009 の一環として開催されます。 8/1(土)18時からのオープニングのドレスコードは「夏休み」です。

全文提供: TARO NASU

最終更新 2009年 8月 01日
 

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