［作家コメント］
リアルな「夢」と
曖昧な「現実」の間を
漂う作家
白澤美千子さんが
日常に潜む不思議を探して
みつけたテーマは
「ねむり」　でした。

意志とは無関係にやってきて
生きているのに
自分の意志では動けない
この「ねむり」という現象の不思議さに
囚われたのだそうです

ふわふわのぬいぐるみが
まあるい月に吸い込まれていく様子は
私たちが眠りに落ちていく瞬間を
イメージしているようです

吸い込まれた後の世界では
どんなに強い意志を持っていても
強靱な肉体を持っていても
覚醒の指示が出されるまで
身をまかせているしかありません

起きているときには分泌されない
ホルモンを行き渡らせ
記憶を定着させると同時に
有害な記憶を忘れさせる

私たちは
思っているよりずっと
この「ねむり」という生理現象に
支配されて
むしろ守られて
いるのかもしれません

忙しい現代を生きる私たちが
軽視してしまいがちな
「ねむり」について
そしてその秘められた力に
あらためて思いを馳せることで
日々の「ねむり」
そして
「ねむり」よってメンテナンスされた
覚醒の時間が
がより豊かなものに
なりますように

ご来廊を心よりお待ちしております。

（太原有紀子）

［作家プロフィール］
白澤　美千子　 Michiko　Shirasawa

1981年　大阪生まれ
2007年　大阪芸術大学　大学院前期博士課程修了

個展
2012 ギャラリー風（大阪）
2011 ギャラリー風（大阪）
2008 ギャラリー風（大阪）

グループ展
2005 第２回　Festival of Young Asian Artists for 2005 (チャンウォン　/　韓国)

アートフェア
2013 ART OSAKA(大阪)
2012 ART OSAKA(大阪)
2011 ART OSAKA(大阪)
KIAF―韓国国際アートフェア(ソウル / 韓国)
神戸アートマルシェ（神戸）
2007 ART OSAKA (大阪)