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宇治野宗輝:BE A GOOD BOY
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 10月 15日

Photo by TADA(YUKAI)

山本現代では、来る 2013 年 11 月 16 日から 12 月 14 日まで、 宇治野宗輝(うじのむねてる) 個展「BE A GOOD BOY」を開催いたしますのでご案内申し上げます。

宇治野宗輝は、電飾や電動ドリルなど本来楽器とは関係のない電気製品を用いた「Love Arm(ラヴ・アーム)」 シリーズをはじめとするサウンドスカルプチャーや、それらを使ったライブパフォーマンスで知られています。 近年では、サウンドスカルプチャーの発展形として、ごく一般的なターンテーブルを改造し、細工を施したレコー ド盤で制御された家電製品によるビート・マシン「The Rotators(ザ・ローテーターズ)」シリーズを発表し、海 外でも高い評価を得ています。本年3月より彫刻の森美術館で開催された個展「POP/LIFE」は、90 年代前半から 活動を続けてきた宇治野の数々の作品のなかから、全5シリーズの代表的な作品を集め一同に展示し、好評を博し ました。同展は近年海外での活動の多かった宇治野にとって初の国内美術館での個展であり、90 年代前半から現 在につながる活動を俯瞰的にたどることのできる貴重な展覧会となりました。

本展「BE A GOOD BOY」では、3つのシリーズ「Love Arm」、「Nippon Series (日本シリーズ)」、「Machine Theater(マシン・シアター)」からの新作を発表し、宇治野が続けてきた「物質文明のリサーチ」の現在形を提 示いたします。
立体作品「Love Arm」シリーズは、所謂アメ車のパーツに由来しデコトラに多用されるライトや、電動ドリル、 バイクのパーツなどを組み合わせて制作されており、実際にパフォーマーが身体に装着し、強烈な電飾光と増幅さ れた音をコントロールしながら演奏することができるサウンドスカルプチャーです。全世界を席巻した物質文化、 消費文化を、20世紀アメリカ文化の産物で日本に熱狂的に受け入れられたポップとロック・ミュージックの視点 から見つめ直すなかで生み出されたもので、時代に漂う男性性が象徴的に見え隠れします。
20世紀の日本でよく見かけた間違ったカタカナ英語を、装飾的な立体作品に仕立てたシリーズ「Nippon Series」 においては、宇治野のいう「日本語で表現することが難しい概念にカタカナを振り当てた際に、また日本語の環境 で使いやすいように調整した際に生じる違和感」が視覚的かつコミカルな方法であらわにされています。
機械によるダンス・インスタレーションである「Machine Theater」では、天井に吊るされた衣服が中に仕込 まれたワイパーモーターによって踊ります。機械が機械らしく動きつつも、衣服の動きからはかすかな人間の気配 が感じられ、ワイパーモーターは獣の咆哮のような音をたてます。最新作では、音だけでなく映像も盛り込まれ、 新たな展開をみせる予定です。

[作家プロフィール]
宇治野宗輝(うじのむねてる)

1964 年東京都生まれ。1988 年東京芸術大学美術学部工芸科染織専攻卒業。90年代より「LOVE ARM(ラブアーム)」シリーズをはじめとするサウンドスカルプチャーを制作、またそれらを使ったライヴパフォーマンスを行っている。2003 年、第6回岡本太郎記念現代芸術大賞特別賞を受賞。2004年からは、大量消費社会が急速に拡大した 20 世紀以降の物質世界のリサーチとして、モーターを使った家電製品や自動車、家具、中古レコードなど、世界中どこにでもある日常的なモノと技術を DIY で組み合わせた、サウンド/スカルプチャー/パフォーマンスのプロジェクト「The Rotators」に取り組んでいる。

2006年シドニー・ビエンナーレに参加。その前後から海外での活動を活発に行い、2007年カールスーエ、北京、バンクーバー、バーゼル、2008年ベルリン、ニューヨーク、インドネシア、ソウル、2009年にはイギリス、韓国で発表を行った。

2013 年には彫刻の森美術館(箱根)において国内初となる個展「POP/LIFE」を開催し、大規模なインスタレーションを展開、活動初期から現在までの代表的な作品を総括する重要な機会となるとともに、大人から子供まで楽しめる展覧会として好評を博した。

また、近年は野宮真貴によるユニット「野宮真貴&BIBA」のメンバーとして、数々のステージで「LOVE ARM」の演奏を披露している。

主な個展に 2001 年『ウジノズ・ラブアーム』ミズマアートギャラリー(東京)、2002 年『日本シリーズ』ミズマアートギャラリー(東京)、2005 年『カーマ・オヴ・サバーバン・ヴィラ』ミズマアートギャラリー(東京)、2007 年『THE ROTATORS ‒ Robertson and Phillips』The Western Front(バンクーバー)、2008 年『CROSSBAND』PSM Gallery(ベルリン)、2009 年『UJINO AND THE ROTATORS』Heyward Gallery Project Space(ロンドン)、2011 年『TRANSCRIBED』山本現代(東京)、2013 年『POP/LIFE』彫刻の森美術館(神奈川)など。

主なグループ展に2003 年『第 6 回岡本太郎記念現代芸術大賞展』川崎市岡本太郎美術館(神奈川)、2005年『ARS ELECTRONICA』(リンツ)、2006 年『BIENNALE OF SYDNEY 2006』Artspace(シドニー)、2007 年『THERMOCLINE OF ART ‒ New Asian Waves』ZKM(カールスーエ)、2008 年『AFTER THE REALITY 2』Deitch Projects(ニューヨーク)、『KITA!: Japanese Artist Meet Indonesia』Selasar Sunaryo Art Space(インドネシア)、2009 年『EXPosition of mythology ‒ Electronic technology』ナム・ジュン・パイク・アートセンター(韓国)、2010 年『六本木クロッシング2010 展:芸術は可能か?』森美術館(東京)など。

オープニングレセプション:2013 年 11 月 16 日(土) 18:00 - 20:00


全文提供:山本現代
会期:2013年11月16日(土)~2013年12月14日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:山本現代
最終更新 2013年 11月 16日
 

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