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野田万里子:HOPE
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 10月 04日

[salty pattern]/2012, HANARART, Nara

この度、テヅカヤマギャラリーでは約3年半ぶりとなる野田万里子の個展「HOPE」を開催いたします。野田は1985年に佐賀県に生まれ、2009年京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業後、現在に至るまで、平面にとらわれずあらゆるメディアを用いた作品を制作、発表し続けてきました。様々な形式で語りかけてくる野田の作品は一見明るく柔らかですが、その中には、残酷さや妖艶さという、対極の感情がひそんでいます。

2012年奈良で開催された芸術祭「奈良・町家の芸術祭HANARART」では、元遊郭である「旧川本邸」において新進気鋭の若手作家たちと共にグループ展に参加しました。窓辺に展示されたそれぞれカラフルな水と魚の鱗が入った瓶が並べられた作品、「locked them in the glass (2012)」では、自由を奪われた遊女たちの美しくも悲しい日常を表現しました。

また、今年5月台湾で開催されたホテルアートフェア「YOUNG ART TAIPEI」では、既に発表された、ある単位で構成された文字列を繰り返し描いた平面シリーズ「1+1=0」等を、部屋一面に数十点と展示する事により、インスタレーション作品として昇華させました。一見、ポップでカラフルな絵画作品に見えますが、近くでみるとそこには、ペンで緻密に何度も書かれた、執念にも似た野田の想いが見てとれる作品です。

野田が今回の個展でテーマにしたのは「死・詩」。以前より死と向き合う機会が多かったと語る彼女にとって、本展は、常に明確なコンセプトの上に作品を制作してきた彼女の思考の集大成であると言えます。野田が伝えたいものは、苦しく悲しい死のイメージではなく、「死」の周りにある人間のすばらしい感情と、彼女の人間に対する望みです。新作は、その想いを詩を綴るように表現した大型の平面作品と大胆なインスタレーション作品として発表いたします。3年半の時を経て野田が作り出す独特の世界観に、是非ご期待ください。

[作家プロフィール]
野田 万里子 (のだ まりこ)
奈良県在住
1985 佐賀県生まれ
2009 京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業
主な展覧会歴
2008「○展」 / 佐賀
2010「fixation」 / TEZUKAYAMA GALLERY (個展)
「P&E 2010」 / ARTCOURT Gallery (大阪)
「奈良アートプロム in ならまちセンター」 / 奈良 
2011 ART TAIPEI / 台湾 
「二次元 GALLERY ARTISTS」/ TEZUKAYAMA GALLERY 
「奈良・町家の芸術祭HANARART(はならぁと)」 / 奈良 
2012 アートフェア東京 
奈良・町家の芸術祭HANARART(はならぁと)」 / 奈良 
2013 Young Art Taipei / 台湾


全文提供:テヅカヤマギャラリー
会期:2013年11月23日(土)~2013年12月21日(土)
時間:11:00 - 19:00
休日:日・月
会場:テヅカヤマギャラリー
最終更新 2013年 11月 23日
 

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