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芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア」展
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 10月 02日

今井新 「トラベル・オン・ザ・ディスプレイ」 2013

この度、EARTH+GALLERYでは芸術係数プレゼンツ「ア・ワールド・ピクチュア:How do you make a world picture?」展を開催いたします。

万人に共有される物語が失われ、暗号のようにバラバラで複雑に組み合わされた世界をあるまとまりをもって描き出す試み。現代のアーティストの課題はこう言い換える事も可能だろう。タイトルに記された問い「あなたはどのように世界を描くのか?」は、アーティストが見る現在の世界の姿への問いであるとともに、彼らが導こうとする世界の姿についての問いでもある。

参加アーティストたちの描き出す「画像」には、このバラバラな世界を結びつける何か、国家、経済、文化、あるいは彼ら自身の夢、思想、欲望たちが、亡霊のように立ち現れてくるだろう。

辻憲行(芸術係数)

[作家プロフィール]
チャン・ヨンへ重工業(Young-hae Chang Heavy Industries)
韓国出身のチャン・ヨンへと、米国出身のマーク・ヴォージュによるユニット。ソウルを拠点に活動。テキストアニメーションと映像、音楽を組み合わせた作品は世界20ヵ国以上で公開され、それぞれの言語で制作される。テート美術館(ロンドン)、ポンピドゥー美術館(パリ)、ホイットニー美術館、ニューミュージアム(NY)、ゲッティ美術館(ロサンジェルス)など、世界各国の美術館で作品発表。また光州ビエンナーレ、メディア・シティ・ソウル、ヴェネツィア・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレ、イスタンブール・ビエンナーレなど主要な国際展に参加している。

chloma(クロマ)
画面の中の世界とリアルの世界を境なく生きる現代人のための環境と衣服を提案する、鈴木淳哉と佐久間麗子によるファッションレーベル。2013年7月、「被験者」をテーマに、パラレル世界の3.11以後をイメージしたコレクションを発表。東浩紀編集「思想地図β3」でのオリジナルコスプレ衣装制作や、現代アート作家・梅沢和木とのコラボレーション、きゃりーぱみゅぱみゅ等著名アーティストの衣装制作など、インターネットやキャラクター文化へと、モードの手法で切り込む事に挑戦している。

今井新(いまい・あらた)
1992年生まれ。港北ニュータウンで育つ。2009年、ホームレスのインタビュー映像に基づく映像インスタレーション《上野公園。ホームレス。五十嵐さん。》を発表。以来、都市における様々な事象を「取材」し、映像やドローイングによって独自のナラティブに再構成する形式の作品に取り組み続けている。2013年個展《ここにあるだけの記憶を煙にからませて》を開催。

藤城嘘(ふじしろ・うそ)
1990年生まれ。日本大学芸術学部美術学科在籍。美術作家。作家活動に平行して、集団制作/展示企画活動を展開する。「カワイイ」・「萌え」などの日本的/データベース的感性をベースに、キャラクターの存在論を問う絵画作品を制作する。個展「モストポダン」(2010)、芸術係数プレゼンツ藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。カオスラウンジとして「破滅*ラウンジ」(2010)、F/T2011主催作品「カオス*イグザイル」、「受け入れ」展(2012)など。

hatra(ハトラ)
2010年より「部屋」を主題に居心地のよい服を提案するパーカーメーカー。「ネオコス展」(2010年)、「【新しい】カオス*ラウンジ【自然】」(2010年)、「Future Beauty」(2012年)等への出展のほか、コスプレイヤーうしじまいい肉の衣装製作も数多く担当する。 www.hatroid.com

カガリユウスケ
カバン作家。素材に独自の加工(壁の塗装など)を施したカバンを制作している。主な個展にwall-01-03(2007-9)、「100念の壁」(2011)、「虚像の質感」(2012)など。本展にはhatraとのコラボレーションにて参加。

梅沢和木(うめざわ・かずき)
1985年生まれ。美術家。武蔵野美術大学映像学科卒業。ネット上の画像を集め再構築し、アナログとデジタル、現実と虚構の境目を探る作品を制作し、発表している。主な個展に「エターナルフォース画像コア」(2009)、「美しい画像コア」(2010)、「大地と無主物コア」(2012)、「梅沢和木回顧展」、「エクストリームAR画像コア」(共に2013)など。カオス*ラウンジとして2010年に「カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷」や「破滅*ラウンジ」などの展示に参加。主なグループ展に、「隠喩としての宇宙」展(2012)、LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」(2013)など。

チバガク
東京生まれ。都市部の日常的風景の写真をフォトショップで加工し、日常/非日常、自生的/構成的、自然/人工という二項対立とその不確定性について考察する画像を制作。

ショーン・スナイダー(Sean Snyder)
1972年アメリカ生まれ。現在キエフとベルリンを拠点に活動。ヴィデオ、写真、テキストに基づいた彼の作品は、テクノロジーによって生産されたイメージ、そしてモンタージュやプロパガンダ技術の使用に関する体系的なリサーチの帰結である。建築プロジェクトをモチーフにした作品も多く、丹下健三の「スコピエ計画」に取材した作品「修正主義者の連帯モデル」(2004-2005)を制作した。ポルティクス(フランクフルト 2005)、分離派会館(ウィーン 2005)、ステデリック美術館CS(アムステルダム 2007)、ICA(ロンドン 2009)、ギャラリー・ノイ(ベルリン)、ギャラリー・シャンタル・クルーセル(パリ)、リッソン・ギャラリー(ロンドン)などで数多くの個展を開催し、イスタンブール・ビエンナーレ、光州ビエンナーレ、マニフェスタなどの国際展を含む多数のグループ展に参加、昨年はサンフランシスコのCCA Wattisで開催された「When Attitudes Become Form Become Attitudes」展に作品を発表。

古郷卓司(こごう・たくじ)
福岡市在住。ソロ・アーティストとして国内外で作品を発表する他、国際的なコラボレーションのためのプラットフォーム *CANDY FACTORY PROJECTSを主宰。2007年より北九州国際ビエンナーレ、ディレクター。2012年以降は「北九州ビエンナーレ ・ワールド・ツアー」としてベルリン、シンガポール他でプロジェクトを展開中。その他のキュラトリアル・プロジェクト「ブギ・ウギ・ワンダーランド」秋吉台国際芸術村(山口県、2003)、「スクリーム」ファルグファブリケン(スウェーデン、2004)など。また、ソロではリンマン・ギャラリー(スウェーデン、2012)シュトゥットガルト美術館(ドイツ、2010)、「メディア・スコープ」ニューヨーク近代美術館(2007)、横浜トリエンナーレ2001など多くの個展や国際展へ参加。ジョン・ミラーとのユニット「ロボット」では、ニュー・ミュージアム(2013) 、メトロピクチャーズ・ギャラリー(2011)などで作品を発表している。http://artonline.jp/

辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)、芸術係数プレゼンツ藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。芸術係数主宰。

※オープニングレセプション:2013年10月12日(土) 18:00〜21:00
※初日(12日)は展覧会オープンも18:00〜になります。


全文提供:EARTH+GALLERY
会期:2013年10月12日(土)~2013年11月4日(日)
時間:11:00-19:00(*19:00以降はバー・タイムとなります)
休日:月
会場:EARTH+GALLERY
最終更新 2013年 10月 12日
 

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