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松本真由子:混在
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2013年 8月 26日

(右) だんしじょし 2013 Mixed media 55x38x36cm | (左) Paradise Week 2012 Oil on Canvas 130x194cm

今世紀に入りBSE問題による肉骨粉の危険性や鳥インフルエンザ、品質偽装等、食肉の安全性が問われています。世界的な人口増加と新興国の食生活の向上による食肉需要の高まりで、何よりも効率最優先による飼育体制のもと、成長促進剤や科学薬品の使用によって様々な食肉問題が発生してきました。松本真由子の作品は、郊外の建売住宅や幸せそうな家族、まるで一つの生き物のように増殖し蠢く牛肉や豚肉、鶏肉の集合体が画面を覆いつくす奇妙でインパクトの有る油彩画です。壁紙を参考に描かれた規則的に並んだ雲や温もりのないおもちゃのような家、マスキングを駆使しあえてコラージュのように表現された食肉は不安定な存在感を放ち、量産型の幸せに潜む闇を際立たせています。体内に食物を摂取し、エネルギーとするこの単純で原始的な行為が、発展を遂げた現代においても人類の生死を揺るがしています。不変的な幸福の象徴であったはずの食物や家族(家)という概念が根底から崩れ、今日、私達の抱える問題は複雑化し続けています。松本真由子はこのような状況を食肉問題を通し、虚構の世界、コラージュの世界として表現しています。

全文提供:FUMA Contemporary Tokyo/BUNKYO ART


会期:2013年9月6日(水)~2013年9月20日(日)
時間:11:00 - 18:30
休日:日・月曜、祝日
会場:FUMA Contemporary Tokyo/BUNKYO ART

最終更新 2013年 9月 06日
 

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