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不死鳥と雉鳩 -真夏の夜の夢2-:鈴木一郎太 / 徳本茉莉子 / 山脇紘資
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 7月 17日

(上作品)鈴木一郎太 作品、画像提供:CASHI copyright(c) Ichirota SUZUKI

昨年8月に開催した「真夏の夜の夢」では、ペインターと写真家という組み合わせで夏に相応しい幻想的な空間を演出致しました。

今回は同じくシェイクスピアの作品より展覧会名を「不死鳥と雉鳩」と題し、ペインター3名にて真夏の夢をテーマに空間を表現致します。

徳本茉莉子は塩化ビニル板やアクリル板を支持体に美しい色と筆跡で女性や動物を、鈴木一郎太は都市の公園のパラレルワールドのような不気味さを、山脇紘資は自身の中に広がる自分だけの世界の住人を、それぞれ油彩で表現します。徳本の描く顔のない女性、鈴木の広大で不気味な公園、山脇の架空の世界のキャラクターはどれも思い出せそうで思い出せない、しかしある一部分だけは鮮明に覚えている、まるで曖昧で不安定な夢の記憶のようです。

今年も夏という特別な季節に合わせ、過ぎ去ってしまうと果たして現実だったのか、夢だったのかわからなくなるような特別で曖昧な記憶をご提供致します。

レセプションパーティー:7月18日18:00-20:00

※全文提供: CASHI

最終更新 2009年 7月 18日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


鈴木一郎太、徳本茉莉子、山脇紘資という三人のペインターによるグループ展。昨年八月に同ギャラリーで行なわれた興梠優護と村上友重によるグループ展「真夏の夜の夢」を継承するかたちで行なわれている。徳本の描く顔のない女性、山脇の描くいささかキッチュなキャラクターはそれぞれ面白みがあるが、鈴木による一見なんでもない都市風景の描写が最も強く印象に残る。大胆な構図中唯一事細かに描写されている木々のざわめきが、ゴッホの糸杉よろしく、私を落ち着かない気持ちにさせて止まない。徳本と山脇の作品がその幻想性から「(夜の)夢」とすれば、鈴木のそれは「白昼夢」と言うことができるかもしれない。


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