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小野さおり:ドコニモナイコノバショカラ
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 8月 06日

 

GALLERY MoMo Ryogoku では9 月7 日から10 月5 日まで小野さおり個展「ドコニモナイコノバショカラ」を開催いたします。
小野さおりは1981 年福島県生まれ。2006 年女子美術大学大学院修了後、2010 年に群馬青年ビエンナーレで大賞、シェル美術大賞展ではグランプリをダブル受賞して一躍脚光を浴び、2012 年損保ジャパン美術財団選抜奨励展でも損保ジャパン美術賞を受賞、ゆるぎない存在感を示しました。
小野は漁業を生業とする家に生まれ育ち、祖父の海での遭難による深い悲しみと、その際の父親の生還による強さに直面し、命への慈しみと強さを同時に体験する事になりました。そして先の震災では、両親の命に別条はなかったものの、福島の漁業は壊滅的な打撃を受け、大きな衝撃を経て個展を開催、損保ジャパン美術賞への受賞とつながったことは周知のことです。
そうした経験を直接的に作品に結びつけることはありませんが、海に生きるものたちを描くとき、そこに透徹した命への慈しみを見ることが出来ます。今展ではそうした形象を引き継ぎながら、「人それぞれの内面と社会面の境界線で、その場所から覗きこんだ内面風景を表現したい」と「ドコニモナイコノバショカラ」と題したテーマでの発表となります。
人との関係性の中で起こる様々な感情は、それ自体自らが作った心の揺れであるにも関わらず面白いように翻弄されてしまいます。そんな自分と静かに向き合うことで表現したい世界が変化してきたという小野ですが、その変化に身を任せながら制作し、自身の弱さが表出してしまったと危惧しながらも、作家自身の本質的な素として表現できたと言います。
新たな心境への変化を、期待を込めてご高覧いただければさいわいです。

[作家コメント]
【ドコニモナイコノバショカラ】

どこにもないこの場所から、
ガラス越しのセカイを眺める。
重なり合う生き物たちの間を通り過ぎ、
サンゴのトンネルを抜けて、
鉱石の隙間から月明かりに照らされながら、
星を眺める。
ふと、子供の頃考えていた宇宙の形を思い出したり、
水の中の静けさを想ったりして、静かな気持ちになる。
そんなことをして遊んでいると、
いつの間にか隣に君がいる。
君の手を離さないようにして帰り道を探す。
どこにもないこの場所から、
僕たちはゆらゆらと帰っていく

2013 年小野さおり

[作家プロフィール]
小野さおり

1981 福島県生まれ
2003 女子美術大学大学卒業
2005 女子美術大学絵画科洋画専攻大学院卒業

[ 個  展]
2008 ギャラリー山口(東京)
2009 GALLERY MoMo Roppongi ( 東京)
2011 GALLERY MoMo Ryogoku ( 東京)
2012 相模原市民ギャラリー(神奈川)

[ グループ展]
2001 「4人展」ギャラリー青羅(東京)
2002 「2人展」ART BOX ギャラリー(東京)
2005 「シェル美術賞展」 代官山 ヒルサイドフォーラム( 東京)
2006 「OPEN THE DOOR」ギャラリー青羅(東京)
「JUFA」art space hue(韓国)
2008 「シェル美術賞展2008」 代官山 ヒルサイドフォーラム( 東京)
2009 「The 7th art jam exhibition」ギャラリー山口(東京)
2010 「群馬青年ビエンナーレ2010」群馬県近代美術館(群馬)
「シェル美術賞展2010」 代官山 ヒルサイドフォーラム( 東京)
2012 「第31 回損保ジャパン美術財団選抜推奨展」損保ジャパン東郷青児美術館(東京)
「Summer group show」GALLERY MoMo Roppongi(東京)
2013 「フィナーレ選抜奨励展 - 輝く12 の視座-」損保ジャパン東郷青児美術館(東京)
「相模原の女流画家小品展」相模原市民ギャラリー(神奈川)
「相模原の女流画家展 時代を翔る女たち」相模原市民ギャラリー(神奈川)

[ 受  賞]
2010 群馬青年ビエンナーレ2010 大賞
シェル美術賞展2010 グランプリ
2012 第31 回損保ジャパン美術財団選抜推奨展 損保ジャパン美術賞

[ パブリックコレクション]
群馬県近代美術館

オープニングレセプション:2013年9月7日(土) :18:00 - 20:00


全文提供:ギャラリーモモ両国
会期:2013年9月7日(土)~2013年10月14日(土)
時間:11:00 - 19:00
休日:日・月・祝
会場:ギャラリーモモ両国
最終更新 2013年 9月 07日
 

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