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水野悠衣:Join In
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2013年 7月 17日

水野悠衣:Join In

KUNST ARZT では、水野悠衣の個展『Join In』を開催します。
水野悠衣は、一見モザイクのかかったデジタル画面のような抽象ミニマル絵画を展開する日本画家です。 しかし、その絵画には、無機質で厳格なグリッドは存在せす、むしろ顔料の美しさもある生き生きした存在感のある小さな形体の集積であることに気付きます。
「舞台表現の輝き」をコンセプトにした『Stage (2011)』では、横長サイズの画面一杯に、舞台を照らし出すスポットライトの残像がそのまま網膜上に定着したかのような不思議な画面を生み出し、「月の光の力強さ」をコンセプトにした『Moonlight (2010)』では、月という単一の発光体をあえて小さな形体の集積で表現することによって、逆に暗闇を吹き飛ばすぐらいの存在感のある光の表情をも映し出しました。これら、モチーフの核となる本質を捉えさせすれば、むしろ具体性を削ぎ落としたことによって、より豊かな解釈を可能とする多様性が獲得できることを彼女の作品は教えてくれます。
本展では、それら多様性のある絵画を複数枚組み合わせることによって、新たなイメージを生み出す試みです。ご注目頂ければ幸いです。
(KUNST ARZT 岡本光博)

[作家コメント]
自らの表現に不必要だと思うものを削ぎ落とした結果、抽象表現にたどり着いた。
具体的なものを提示しそれで意味を理解しようとする方法より、不特定な形や意味で考えを提示するほうが、伝わることに多様性があると思う。
自らの考えはもちろん伝えたいが、全てが直線的に伝わるのではなく、いろんな角度からの考え方を含めて作品を感じとってもらいたい。
主に、小さい形体を画面いっぱいに集積させてそれらが一つになったときに作り出される世界観を表現する作品を制作している。
一つのものや思考は多くのものの積み重ねで生まれる。それらが集まることによって新たな表情が生まれることに面白みを感じ、興味を持つ。
無意識下での連続性が、想像以上、また、予想外のものの発見に繋がることを期待しながら。

[作家プロフィール]
水野悠衣
1982年  大阪府生まれ
2008年 京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業
2008年 京都造形芸術大学卒業制作展「混沌賞」「学科賞」
2008年 グループ展『混沌から躍り出る星たち2008』(ギャルリ・オーブ 京都 / スパイラルガーデン 東京)     
2009年 個展(ギャラリーH2O 京都)
2011年 グループ展『画心展』(佐藤美術館 東京)
2013年 グループ展『Four Pieces』(同時代ギャラリー 京都)

全文提供:KUNST ARZT


会期:2013年9月10日(火)~2013年9月15日(日)
時間:12:00 - 19:00
休日:月
会場:KUNST ARZT

最終更新 2013年 9月 10日
 

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