Hisham Akira Bharoocha:CONTROL |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2013年 6月 19日 |
SNOW Contemporary では 2013 年 7 月 5 日(金)から 21 日(日)まで、Hisham Akira Bharoocha の個展を開催いたします。
Hisham Akira Bharoocha(ヒシャム アキラ バルーチャ)はニューヨークを拠点とし、音楽やビジュアルアート、デザイン、ファッション、写真など様々なフィールドで活躍するアーティストです。また、ミュージシャンのキム・ゴードン(ソニック・ユース)、アーティストのダグ・エイケン、ロックバンドのボアダムス、モデルのエリン・ワッソン等あらゆる分野の第一線で活躍するクリエーター達との交流の中で、音楽イベントやファッションブランドなどのディレクションを担当し、現在、ニューヨークのカルチャーシーンを牽引する人物の1人でもあります。 Bharoocha が持つ人と場をつなぐ mediator/媒介者 としての卓越した才能は、幼少時からのバックグラウンドに由来するのかもしれません。日本人の母とビルマ人の父を持つ彼は、幼い頃から家族とともに東京、トロント、ロサンゼルス、サンディエゴと、様々な街を移り住んできました。その体験は、Bharoochaに多様な生き方を見せ、多文化を許容する寛容性と自分自身のルーツを見つめる深淵な視点を育んだのではないでしょうか。 Bharoocha がつくる作品は、インスタレーションからペインティング、コラージュ、写真と多岐にわたりますが、どれも瞑想時や夢想時、あるいは空想時などに脳内にまたたく無意識のイメージや過去の体験などのカオスを視覚化する作業から始まります。
「物事について考えを巡らせている時、なぜ自分の考えが別の方向に向かっているのか、そして自分の内部でおこった思考のプロセス、-一見全く関係ないと思っていたことがつながる不思議- について観察するのです」 (Whenever I drift into a chain of thoughts, I reflect on why a thought led to another and try to show the kind of process that I observe in my mind; how things that may seem dissimilar can actually relate to each other in my mind.) 自身の制作プロセスについて上記のように語る Bharoocha の作品は、緻密にコントロールされた色彩の重なりと線が作りだすスペースによって構成されるパターンと意表をついた自由な空想世界のモチーフの相反する要素が独自の躍動感を持ち、観る者の身体感覚にリズムを刻みます。異なる性質をもつ要素の組み合わせで構成された世界観は、バランスを保ちしっくりと溶け込んだようにも、コントロールの外へ飛び出そうとしているようにも取れ、それはまるで Bharoocha 自身が「運命とは偶発的なものであるのか、それとも定められた結末に向かって決定づけられたものであるのか」(Is chance a completely randomized happening or is it scientifically defined by the elements that lead to a certain outcome?)、と問いかける人生そのものであるのかもしれません。
この度の展覧会では、作家本人が来日し、ペインティングとコラージュの大作を中心に、現地制作による壁画も公開いたします。また展示空間では、アナログシンセサイザーによる Bharoocha 作曲の音の世界も体感いただけます。Bharoocha は自身の作品制作のプロセスを「頭の中のカオスを見つめ視覚化する作業」と言います。氾濫した情報が選択の余地もなく我々の意識の中に流入する現在において、本展が皆様にとって、自身をみつめ、自身の深層を呼び起こすひと時となれば幸いです。
[作家プロフィール] Hisham Akira Bharoocha (ヒシャム アキラ バルーチャ)
1976 年、新潟生まれ。現在、ニューヨーク・ブルックリン在住。 1994-1998 BFA, Rhode Island School of Design ロードアイランド/アメリカ 修了
■ 主な個展 2009「Mashup」 B Gallery 東京 2007「Feel The Light」Vleeshal ミデルブルフ/オランダ 2006「SETS」D\'Amelio Terras gallery ニューヨーク/アメリカ
■ 主なグループ展 2013「Being / Dreaming」KK Outlet Gallery ロンドン/イギリス 「Secret 7」 Mother London Bisquit Building ロンドン/イギリス 2012「Happiness」 Les Gens Heureux コペンハーゲン/デンマーク 「Musique Plastique」 Agnes B. Gallery ニューヨーク/アメリカ *2013年 香港/中国 巡回。 「Where My Cone At?」 Double Break Gallery サンディエゴ/アメリカ 2011「Cutters」 Gestalten Space / Store ベルリン/ドイツ 「Musique Plastique」 Galerie Du Jour Agnes B. パリ/フランス 2010「Know New York」 Cinders Gallery ニューヨーク/アメリカ 「Graphic Impressions」 curated by Hisham Bharoocha, B Gallery 東京 2009「Control C, Control V」Ebersb9 Gallery シカゴ/アメリカ 2008「Anti-Hero」Mountain Fold Gallery ニューヨーク/アメリカ 「Kick Out The Jams,」Luggage Store Gallery サンフランシスコ/アメリカ 2007「Deaf 2 \"From the Audible to the Visible\"」 Galerie Frank Elbaz パリ/フランス 「Harry Smith Remixed Anthology Collection」Alt. Gallery ニューカッスル/イギリス 2006「Let\'s Go Camping」John Connelly Presents ニュ-ヨーク/アメリカ 「Cosmic Wonder」Yerba Buena Center for the Arts サンフランシスコ/アメリカ 2005「Live Through This」Art Basel Miami (Deitch Projects)マイアミ/アメリカ 「PLAY: A Photographic Exploration」 Project Space ニューヨーク/アメリカ 2004「Cave Canem」John Connelly Presents ニューヨーク/アメリカ 2003「We Are Electric」Deitch Projects, ニューヨーク/アメリカ
■主なイベント 2010「THE ARTIST’S MUSEUM HAPPENING」w/ダグ・エイケン ロサンゼルス現代美術館 アメリカ 2009「Circle of Friends」オープニングイベント w/大友良英 VACANT 東京 2008「88 Boadrum」La Brea Tar Pits ロサンゼルス/アメリカ 2007「77 BOREDRUM」Empire Fulton Ferry State Park ニューヨーク/アメリカ 「Doug Aitken: sleepwalkers」w/ダグ・エイケン ニューヨーク近代美術館 アメリカ
■レジデンス 2008 Le Confort Moderne ポワティエ/フランス 2007 Okra India ハイデラバード/インド
オープニングレセプション:7月5日(金) 18:00 - 20:00 ヒシャム アキラ バルーチャ/オープニングパフォーマンス:7月5日(金) 18:30 –
全文提供:XYZ collective
会期:2013年7月5日(金)~2013年7月21日(日) 時間:12:00 - 20:00 休日:7月8日(月)・16日(火) 会場:SNOW Contemporary(XYZ collective)
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最終更新 2013年 7月 05日 |