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maggie:Future Days
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 6月 30日

Courtesy of unseal contemporary copyright(c) maggie

maggieは不思議な魅力を持つ作家です。作品はキャラクターベースであり、確実に今の時代の空気を吸いながら描く作家ですが、同時代の若手作家たちの多くと時代を見るベクトルが異なります。maggieは、「古きよきもの」が存在した時代に回顧的に溯り、そこから掬いあげた視点で今の時代を見ようとします。ベクトルが過去に向くことについて作家は「時代錯誤的なスタイル」と自ら語ったりもしますが、そのスタイルによって描かれた世界が、今様の作品と違ってなぜ私たちの記憶に長く留まるのかをただノスタルジーの感情だけで説明するのは難しい。たぶんそれは、過去への遡及にともなう作家のイメージが自分史から太古的な、神話的世界に届いているからではないかと思われます。山河や動物、植物と人間の関係がまだ未分明だった頃の世界のかすかな痕跡が私たちの遺伝子のどこかに残っていて、それがmaggieが描く作品と共鳴するからではないか、と。

maggie作品の前に立つ私たちが、もし「そんな太古的、神話的世界から照射された未来は、ただ現在の延長上に描かれた世界よりももしかしたらより愉しげな世界かも知れない」という思いに襲われたとすれば、作家の術中にはまったことになるでしょう。unsealでは作家二回目となる個展ですが、今回は平面作品9展を出品する予定です。

個展
2007 「MUZU MUZU BOOK」 Gallery unseal/東京・日本橋
2006 「THIS IS MORE」トーキョーワンダーサイト/東京・本郷 ---- 「人間以上」 トーキョーワンダーウォール/東京都庁舎内
2004 「けだもの組合」 現代Heights gallery DEN/東京・東北沢
2002 「ふゆのうみべをねむりでみたす」現代Heights gallery DEN/東京・東北沢

※全文提供: unseal contemporary

最終更新 2009年 7月 07日
 

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