雅 景錐では、１周年記念第２弾に、関西初個展となるヴァンサン・フルニエ個展《スペース・プロジェクト》を開催いたします。今回の個展では、大作の写真作品 公開に合わせ、ヴァンサン・フルニエの映像作品《ザ・マン・マシーン》も合わせて同時公開いたします。ヴァンサン・フルニエのサイエンス・ノンフィクショ ンなる世界観をこの機会にぜひご高覧ください。

《科学的想像力のイコン》
写 真のドキュメントはインデックスだ。それは出来事の記録であり、歴史の証人でもある。ここにあるのは、まぎれもなく宇宙開発の現場を記録した痕跡である。 けれども記録の再現であるために、眩暈にも似た既視感（デジャブ）を呼び起こす。初めて見る光景にもかかわらず記憶と混同してしまうのだ。それがSF映画 の映像経験によるものなのか、宇宙開発の進捗を報告するニュース映像であったかなど、今となっては定かではない。写真がSF映画のシミュレーションとな り、現実と表象との境界を無効化する。記録と夢想が融合するイメージの世界はロマン主義的ですらある。ヴァンサン・フルニエの「SPACE　 PROJECT」は過去と未来とを架橋する科学的想像力のイコンである。

馬場伸彦 （写真評論、甲南女子大学文学部メディア表現学科教授）

［作家プロフィール］
ヴァ ンサン・フルニエは、1970年西アフリカ内陸国であるブルキナファソ産まれの写真家。ロンドンとブリュッセルを拠点とし、数多くのカルチャー、ファッ ション雑誌（Wall paper, GQ style, the Independent, Wad,Jalouse他多数）に作品を数多く提供している。また、ヨーロッパ各国のギャラリーやフェアにて作品が多数公開されている。鮮やかな色彩溢れ る写真の中には、自然と人工、現在と過去などの対比が表現され、さらには行動面で見られる人間のちょっとした癖、異文化間の類似と差異を描き出すことを追 求している。カンヌ国際広告フェスティバル銅獅子プレス賞受賞。

1970　 西アフリカブルキナファソに生まれる
1994　 Master of Visual Arts（モンペリエ、フランス）に学ぶ
1997　 National School of Photography（アルル、フランス）に学ぶ

主な展覧会歴
1994 – 95 Rencontres Internationales de la Photography (アルル、フランス）
1996 Galerie Interface（マルセイユ、フランス）
2003 Galerie I Love　(ブリュッセル、ベルギー）
Young Gallery　(ブリュッセル、ベルギー）
2005 Acte 2 Galerie (パリ、フランス）
Exposition Internationale d’Architecture (ロンドン、イギリス）
2006 Art Paris, Foire d’art contemporain, Grand Palais　(パリ、フランス）
2007 The New Landscape’, Leonard Street Gallery　(ロンドン、イギリス）
Curated by James Reid of Wallpaper magazine
2008 Acte 2 Galerie 「Space Project」(パリ、フランス）
Marunouchi Gallery 「Space Project-TourOperator」(東京、日本）
The Festival de Photographies de Vevey. (べベイ、スイス）
2009 Clic Gallery　(ニューヨーク，アメリカ)
Tokyo Art Fair　(東京，日本)
Galeria 27AD　(ベルガモ，イタリア)
Miami Photo (マイアミ，アメリカ)
The Steps Gallery ( ロンドン，イギリス）
2010 Tokyo Art Fair (東京，日本)
Cream Gallery (ミラノ，イタリア)
Tokyo Photo 2010 (東京，日本)
2011 Art Fair Kyoto　(京都，日本)
Surface of window 2011/ Slow & Tense atmosphere,“City and Frontier”GAKEI GIMLET SAAS, Flanders Center（京都／大阪、日本）
2012 ART SHOW BUSAN 2012（釜山、韓国）

受賞歴
2008 Bronze Press LionPrize（銅獅子賞）
Cannes International Advertising Festival 2008, Cannes France

写真集
Past Forward
Space Project
Brasilia