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藤井俊治:硬くて、美しくて、空っぽで、中が透けて見える
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 2月 06日

「つながりのゆくえ」 2013年綿布に油彩、アルミ箔、ジェッソ162 x 110cm

[作家コメント]
私は、流動性、二面性、多面性、匿名性、抽象性、といったキーワードからモチーフを選び、その固定されないものたちを絵画画面における筆致や分厚くおかれた絵具のあり方との関係や、硬質な物質性を持ちながらも光を反射させてその質量を失う箔、鮮やかな色彩と余白の白、白・有色(主にピンク)・箔それぞれを描かれるものの下地にすることで出来る手前と奥の微妙な奥行きなど、絵画の画面における独特のマテリアルの状態と結びつけることで、イメージが単にそのものにみえて完結するのではない。

視覚経験が誘発するような『装置』としての画面を作りたいと思っています。それはイメージをみているようで絵の具をみているようで色をみているようで物質をみているような曖昧な経験を引き起こし、絵をみているのか、周りの空間をみているのか、また、自分自身をみているのか、みているものについて自身に問うような視覚経験へと繋がるのです。

[作家プロフィール]
藤井俊治(ふじいとしはる)は1983年に滋賀県に生まれる。京都市立芸術大学大学院にて油画を学ぶ。 豊かな色彩感覚とのびやかな描法で成安造形大学在学中にシェル賞グランプリを受賞するなど早くから注目を浴びる。近年は滋賀県次世代文化賞を受賞するなどその評価は高い。藤井は油彩に箔やジェッソなどの素材を使い、マスキング、ストローク、点描、多色のコントラストなどによって装飾的な美しい画面を構成する。その独自の描法によってイメージ性の強い現代の絵画から距離をおく。今展は新作の油彩、ドローイングを出品する予定。

展覧会タイトルは、スコット・フィッツジェラルド(1896-1940)の小説「カットグラスの鉢」の中で交わされる会話を引用。

全文提供:ギャラリーほそかわ


会期:2013年2月25日(月)~2013年3月16日(土)
時間:12:30~18:30
休日:日
会場:ギャラリーほそかわ

最終更新 2013年 2月 25日
 

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