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工藤麻紀子 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 12月 20日

 

8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、2012年11月小山登美夫ギャラリー発行、工藤麻紀子作品集「まわってる Turning」出版を記念し、工藤麻紀子展を開催致します。工藤麻紀子のペインティングで最も特徴的なのは、彼女自身の日々の日常と、夢で見た世界のような想像性とが渾然一体となった、カオティックな力強さといえます。プリミティヴな筆致が描き出すのは、工藤にとっては実際に目にし、体験した世界であり、散歩途中に見た草木や川、昔住んでた家、ネコ、夜空に浮かんだお月さま、夢見るような少女と、どこか寂しげで儚い夢のような、けれど懐かしい記憶をたどるようなそんな物語が絵の中に広がります。小さい頃良く絵本を読んでいたという彼女の絵らしく、絵の中で複数の場面が同時に展開してゆき、また時には、幼年期の感受性が思い出となって現れます。大胆な構図と自由なタッチで描かれた絵画は、観るものに新鮮な印象を与えてくれます。本展では大小様々な新作が展示される予定です。彼女のイマジネーションの世界を、どうぞご堪能下さい。

「(美術評論家の)テリー・R・マイヤーズは、工藤の「ペインティングとしての複雑さのレベルと、ここ十年の日本のペインティングにはない『タッチ』」に正しく言及するが、私が強調したいのはその制作の複雑さが二つの感覚を示しているということだ。「フラット」であるとは考えられない実体としての、密度が高く、豊かなニュアンスと様々な面をもつペインティングの表面と、そこにあるセンセーションと衝動の感覚である。その多面性のオーケストラのうちに、最近の工藤の作品はクラッシックな壮麗さを獲得している。」

バリー・シュワブスキー「幸福の総数」『まわってる Turning』小山登美夫ギャラリー、2012年 より引用

[作家プロフィール]
工藤麻紀子は1978年青森県生まれ。2002年女子美術大学油画科卒業。同年、小山登美夫キュレーションによるグループ展『フラジャイル・フィギュアズ』(パレット・クラブ、東京)、および村上隆キュレーションのグループ展『東京ガールズブラボー2』(ナディッフ、東京)に出品。現在は神奈川を拠点に活動を行っています。近年では、出品しているグループ展『ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開』(キュレーション:松井みどり 09年、原美術館、東京ほか海外巡回)が現在も海外を巡回中の他、2010年にはコペンハーゲンのAndersen\'s Contemporaryにて、2011年にはLAのMarc Foxx Gallery、2012年はロンドンのWilkinson Galleryで個展を開催するなど、海外での展覧会にも数多く参加しています。パブリックコレクションでは『Pretty Baby』(07年、フォートワース近代美術館、テキサス)、『MATRIX 213: Some Forgotten Place』(04年、University of California, Berkeley Art Museum & Pacific Film Archive、カリフォルニア)へ出品しコレクションされたほか、ロサンゼルス現代美術館、オルブリヒト・コレクション、国際交流基金、高橋コレクションなど、国内外で作品が収蔵されています。

◉オープニングレセプション:
1月16日(水)18:00ー20:00

◉工藤麻紀子・桑久保徹・小山登美夫 ギャラリートーク
1月16日(水)19:00~ 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery内にて

工藤麻紀子展オープニングにちなみ、工藤麻紀子・桑久保徹・小山登美夫によるアーティストトークを行います。昨年11月28日~12月17日に同じく8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて個展を開催し、好評 を博した桑久保徹と工藤麻紀子は同じ1978年生まれの予備校時代からの友人です。普段でも親交が深い二人の作品に対する考えや想いを小山登美夫を交えて語って頂きます。

全文提供:8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery


会期:2013年1月16日(水)~2013年2月4日(月)
時間:11:00 - 20:00
会場:8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(渋谷ヒカリエ8階)

最終更新 2013年 1月 16日
 

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