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大川友希:祭
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2012年 12月 20日

大川友希「MIKOSHI」a portabl shrine
サイズ:1800mm × 600mm × 1940mm(作品上部分)
Yuki Okawa, Courtesy of TENGAI GALLERY

TENGAI ギャラリーの第五弾は、初個展となる大川友希をご紹介します。大川は愛知の美大を今年卒業し、卒業制作では優秀賞を受賞。現在 25 歳で中学校の美術教師を始めたばかりの新人ですが、これまで一貫して古布や古着を素材とした作品を制作して来ました。今展では、色鮮やかな古布や着物を幾重も組み合わせて制作した祭りの神輿を模した作品を展示。布特有の温かみのある触感に変換された神輿は、作家独自の言語に置き換えられた存在として成立しています。一方で、その華美な色彩は過剰なまでに強調され、等身大というスケール感も加わって、神が憑依する寄り代にふさわしい力強さを示しています。大川作品はその根底において日本の華やかで祝祭的な美意識を呼び起こすことに成功しており、それは天明屋尚が提唱する BASARA の水脈ともつながって来ます。

天明屋が提唱する BASARA とは、室町時代の婆娑羅大名や戦国末期のかぶき者、幕末の絵師などの気風にも通じる華美で型破りな美意識です。満開の桜や天空を飾る花火を愛でる時に感じるような、日本人にとって最も根源的で時代や世代を超越した華やかな美意識、それが BASARA です。

また今回ガラス張りのエントランスでは、枝に色鮮やかな古布を巻きつけた過剰で華美なインスタレーション作品も展示予定。今展は日本の閉塞感を打破し、2013 年という新年を寿ぐのにふさわしい展示となります。ぜひご高覧下さい。

[作家プロフィール]
大川友希

1987 年 千葉県木更津市生まれ
2008 年 愛知県立芸術大学入学
2009 年 「原点回帰」展(愛知)
2010 年 西尾城下町芸術祭(愛知)
長久手アートフェスティバル(愛知)
長久手アートフェスティバル(愛知)
2012 年 愛知県立芸術大学卒業・修了作品展(愛知)
長久手アートフェスティバル(愛知)
若手作家刺激プログラム「#1motion」展(愛知)
現在、中学校の美術教師として勤務

オープニング・レセプション:1/17(木)18:00ー20:00


全文提供:TENGAI GALLERY
会期:2013年1月17日(木)~2013年2月14日(木)
時間:11:00 - 19:00
休日:日・月・祝 
会場:TENGAI GALLERY
最終更新 2013年 1月 17日
 

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