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山口藍:ほし
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 10月 22日

山口藍 | したぎえにきえる波/shitagie ni kieru nami | 2012 | パネル、毛布、綿布、アクリル絵具/acrylic on cotton, blanket and panel | φ20.5×5cm | (c)ai yamaguchi・ninyu works courtesy Mizuma Art Gallery | 撮影:宮島径/MIYAJIMA Kei

ミヅマアートギャラリーでは、11月21日(水)より山口藍展「ほし」を開催いたします。

今年は、香港の10 Chancerylane galleryでの個展、シドニーのニューサウスウェールズ州立美術館でのグループ展への参加、そして、スパイラルガーデンでのPIP&POPとの2人展と、それぞれの展覧会において新作を発表し、精力的に活動を行ってきた山口藍。その一年の結実とも言える本展では、山口独自の支持体である“ふとんキャンバス”の上に、自らが追い求めてきた理想の美をそなえた少女たちを描くという原点に今一度立ち返り、ストレートでありながらも、より深化した作品群を展示いたします。

かきくらし 降る白雪の 下ぎえに 消えて物思ふ ころにもあるかな

という古今和歌集の和歌の一部がタイトルに付けられた4点の連作では、春画をデフォルメし、山口独自の解釈で画面を構成しています。円形のふとんキャンバスには、着物の柄をもとにした文様がキルティングのように織り込まれており、あらたな支持体の制作への挑戦が見られます。

今年、山口藍が作家として制作を始めてからひとまわり、12年が経ちました。それは彼女が一心に自分の分身とも言える少女たちを描いてきた年月そのものです。12年という年月は、“うつくしいものを描きたい”という子どもの頃からのささやかな願いを、作家としての強靭な意思へと変化させ、彼女の作品に大きな意味をもたらしてきました。

今回名付けられた「ほし」というタイトルには、自分が生み出す作品が誰かの、もしくは何かの通過点において光っていてほしいという作家の願いが込められています。 昔から「ほし」は旅人の道しるべとなり、また夢を託すものであったように、山口が放つ作品もまた、先を照らす光のように作家や私たちを新しい視界へと導いてくれることでしょう。 山口藍の作家活動において節目となる本展をぜひご高覧ください。

オープニングレセプション:2012年11月21日 (水)18:00-20:00

全文提供:ミヅマアートギャラリー


会期:2012年11月21日(水)~2012年12月22日(土)
時間:11:00-19:00
休日:日・月・祝
会場:ミヅマアートギャラリー

最終更新 2012年 11月 21日
 

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