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Published: September 20 2012 |
静けさと手触りを味わうような物質感、不思議な奥行きを持った境澤邦泰(1972~)の油彩画は、作家活動を始めて間もない段階から「布」をモチーフとして制作されています。作家は繰り返し繰り返しそれ自身が布であるキャンバスに絵具をのせ、いわば布を消していくとことでそれを描き出すという、または布に戻していくために塗り重ねていくような矛盾をはらんだプロセスから作品が成り立っているといえます。鎌倉画廊での個展は今回で3回目を数え、約10年ぶりの開催となる今展では、150号から小品まで約20点の新作を展示致します。 ブルーを基調とした代名詞的な作品から、複数の色彩で描き分けられた組み作品、より筆触が感じ取れる質感の異なる作品が並びます。完成とするまで時には何年も毎日筆を入れ、目新しいことに身軽に移行するのではなく継続という進行形を常に重ねてきた姿勢は、「布(canvas)」に通し番号がふられただけのシンプルな作品タイトルからも感じられます。「繰り返す」という行為と時間が確かに積み重ねられた静謐な絵画群をぜひご高覧下さい。
[作家プロフィール] 境澤邦泰 (さかいざわ くにやす)
1972 静岡県生まれ 1997 武蔵野美術大学油絵科卒業 1999 武蔵野美術大学大学院修士課程修了
[個展]
1998 鎌倉画廊 (銀座) 2001 鎌倉画廊 (鎌倉) 2005 Art Trace Gallery (両国) 2006 A-things (吉祥寺) 2007 Art Trace Gallery (両国) 2009 Art Trace Gallery (両国) 2010 A-things (吉祥寺) 2012 Gallery G-fal (武蔵野美術大学) 鎌倉画廊 (鎌倉)
[グループ展]
2004 -edges- 境澤邦泰 堀由樹子 鎌倉画廊(鎌倉) 2006 第三回府中ビエンナーレ「美と価値」 府中市美術館(府中) 2009 「サイボーグの夢」展 Art Trace Gallery (両国) 2010 「組立」 vision’s (人形町 阿佐ヶ谷美術学校協賛)
[パブリックコレクション]
府中市美術館
全文提供:Kamakura Gallery
会期:2012.9.1~2012.10.14 時間:11:00~18:00 休日:Mon/Tue/Holidays 会場:Kamakura Gallery
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Last Updated on September 01 2012 |