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in-visible-land
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2012年 7月 26日

画像提供:ルーニィ247フォトグラフィー

画像提供:ルーニィ247フォトグラフィー

世界が20世紀から21世紀にかわる頃、私たちはサンフランシスコのアートスクールで、ともに写真学科に在籍して いました。 その頃から私達は、この世界に存在する不思議や見えないものをいかに写真というメディアを使って表現するかという ことを追求してきました。 写真という見えるものを写し取るメディアを使って、見えないものを撮るというとても矛盾した行為を、なぜ私達は 日々続けているのでしょう。 それはカメラという、機械でありながら時に撮る人の感情や撮られる空間の空気感をも捉える不思議な生き物が持つ魔 法に取り憑かれたからでしょうか。 言葉にもすることが困難な見えない世界、しかし写真でなら、そんな世界をも捉えられるのではないかと思うのです。 私達がフィルムで撮影するのも、それがより純粋で被写体に対して誠実、且つ魔法に溢れたメディアだからです。 デジタルと違い思ったように写らなかったり、手直しもあまりできない不便なものですが、しかし時に予想だにしてい なかった素晴らしい景色や、その時感じたスピリットとでもいうようなものがどこかしらに写っていたり、その予想のつかない魔法は、そ れ自体がミステリーです。 フィルムにこだわるもうひとつの理由として、写真は真実を撮るメディアであるということがあります。 デジタル全盛期の現在ではあまり効力のない言葉になってしまいましたが、フィルムの世界では未だに守られる領域です。 目に見えない=非現実的な世界になるのは必然で、デジタルで撮影をするということはそれもまた必然的に架空のもの と見なされても仕方が無いものですが,フィルムで撮影をしている以上、その世界は現実にこの世界に存在する事が保証されるのです。特 有の質感や厚み、そしてトーナリティーといったものはもちろんですが、現実に潜む非現実的な見えない世界を写し取ったり、または自分 自身の中に広がるそういった世界を実際に作り出し写真として切り取り、目に見える現実世界との橋渡しを可能にしてくれる、フィルムと は私達にとって欠くことのできない非常に重要なツールなのです。 では、目に見えないものとは何なのかというと、それは多分、私たちの心の奥深く、無意識と呼ばれる領域の投影なの ではと思います。 無意識や潜在意識といった言葉では説明できない領域、それが現実世界と接し生きている私達という媒体を通して稀に 現れ、この世界と共鳴しているのではないでしょうか。 もちろん、それは具体的に目に見えるわけではありません。 私達のしていることは、そんな領域を私達なりの世界観で具現化するということなのです。 この展覧会のタイトルを"in-visible-land" にしたのには、 そんな目に見える現実、目に見えないけれど確かに存在する世界の境界を超え、ふたつの世界の橋渡しとなるような作品を創ろうとする私 たちの意図が現れています。 ある人にとっては、それは"目に見える世界で" "in visible land" と読めるでしょう。またある人にとっては、"見えない世界\" "invisible land" とも読めるかもしれません。 見えない世界 "invisible land" は、私達が日々 暮らし、見ているこの世界の中 "in visible land" に、そして他でもない私達自身の中にこそ存在しているのです。

[作家プロフィール]
松元 康明

1976 年生まれ
1995 年 渡米。San Francisco Art Institute に於いて、写真家リンダ・コナーに師事。
写真、ミクスト・メディア、インスタレーションの分野で活動する。
2001 年 帰国。東京を拠点にフリーランス・フォトグラファー、写真作家として活動中。

<個展>
2000 年 "one" - Club Six - San Francisco
photographxfin Diego Rivera Gallery - San Francisco
photographxfi Omicron Space - Oakland
2001 年 "oam" - Club Six - San Francisco
2003 年 "one-i" - Art Space Motor - 東京
2005 年 "森の車輪" - Art Space Motor - 東京
2006 年 "glimpses of the world" - Art Space Motor - 東京
2008 年 "oam" - ZAIM - 横浜
2010 年 "alchemist's dream" - Shorewood Gallery - 東京
2011 年 alchemist's dream" - Spectrum Gallery - 大阪
2011 年 "fragments" – CROSSROAD GALLERY – 東京

<グループ展>
2001 年 Landmark Tower Bulding - San Francisco
fineartb& Walter and Mcbean Gallery - San Francisco
2003 年 "Reflecting Buddha Exhibition" - Pasadena Museum of California Art, Los Angeles
2004 年 "Reflecting Buddha Exhibition" - Art Commision Gallery, San Francisco
2008 年 "Peace Works" - ZAIM - 横浜
2009 年 MASH UP 2009" - Art Complex Hall, 四谷
2010 年 "SEOUL PHOTO" - Coex Hall, Seoul, Korea
2011 年 "Yokohama Photo Market" - ヨコハマ創造都市センター, 横浜
"Tasting Art Exhibition" - 梅田阪急デパート, 大阪

<受賞>
2000 年 Paul Sack Photography Award - Honorable Mention
2009 年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2010 年 2010 WPGA Annual Pollux Awards - Honorable Mention



HeeJung (ヒージャン)

写真家、インスタレーション・アーティスト
韓国、ソウルを拠点に活動中

⦁ 学歴
ニューヨーク大学, インタラクティブ・テレコミュニケーション・プログラム
サンフランシスコ・アート・インスティテュート博士課程, 写真学科

⦁ 主な展覧会
2011 Doors Art Fair, Imperial Palace Hotel, Korea
2010 Photoforum, The Museum of Fine Arts Houston, USA
Seoul Photo 2010, Korea
Teaf, Taehwa River Eco Art Festival, Korea
2009 Seoul Photo 2009, Korea
2008 Korea young & new Art Show, Hyundai department, Korea
2007 Artshow, Gallery Indeco, Korea
Artist Network Program, Space Teampreview, Korea
2006 ‘Katrina’ donation show, Latin Collectors Gallery, USA
2005 Unusual Bookshelf, Retail store, USA
2004 Photography, Tribeca Photolab, USA
2003 Masters of Fine Arts Exhibition, Herbst Pavilion, Fort Mason, USA
2001 Self, ACCI Gallery, USA
2000 ONE gallery, San Francisco, USA
Isolation, Diego Rivera Gallery, USA

⦁ コレクション
The Museum of Fine Arts Houston
Latin collectors
PanKorea
Private collectors

レセプションパーティ:2012年8月28日(火)18:00~20:00 会場にて

全文提供:ルーニィ247フォトグラフィー


会期:2012年8月28日(火)~2012年9月2日(日)
時間:12:00~19:00(最終日のみ16:00まで)
休日:月
会場:ルーニィ247フォトグラフィー

最終更新 2012年 8月 28日
 

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