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菅原布寿史:壁画のシリーズ ベゼクリク、キジル
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Published: May 10 2012
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GIMLET SAAS Photography by Masahiro AMANO,2012

信仰により破壊されし仏の顔。像否定の信仰により破壊され、列国による探検隊の発掘により各地に分散したシルクロードの仏教壁画。従来の宗教画としての機能を失ったかに思えるそれらの断片は、複製・反復・再構成されることにより新たな命が与えられる。京都在住の菅原は、一貫したアジア美術の源泉からなる意匠により、作品を結晶化させている。菅原曰く、「実際に現地のイスラムの人々により、多くの仏像が顔面を削り取られていました。しかし、自分の作品で顔面を削ったのは、異教徒による破壊という不快感ではなく、顔が無くなる事によって背景の装飾とうまく響き合い、仏教美術という枠を越えたより魅力的な表現に思えたからです。創造と破壊、双方の人間の行いを作品に取り入れたかったこともあります。」菅原の代表作の一つである「壁画のシリーズ」の再考により、東アジア美術の引用と現代美術における作品の意図に再び注目する。ベゼクリク、キジルそれぞれの歴史背景から、複写、損傷、退色の表現から確立された菅原様式と裏打ちされるその美学や考察を、本展よりご堪能頂ければ幸いである。

天野雅景 (写真家、雅景錐クリエイティブディレクター)

醍醐書房URL

全文提供:雅景錐


会期:2012年5月10日(木)~2012年6月2日(土)
時間:木、金曜日 14:00-18:00 土曜日 12:00-18:00
休日:*上記以外の日時については、アポイント制/不定休有
会場:雅景錐

Last Updated on May 10 2012
 

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