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田中秀介:空回る傍観
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 19日

Copyright© Tanaka Shusuke | 画像提供:ギャラリーモーニング

私たちは、肺腑から酸素を採り入れて生きており。
窒素の中に混じる、22%の酸素のうちの16%をとりこみ体の隅々に運んで、生きる
酸素を採り入れる装置、その周に渦巻く空気の流れ

田中秀介の世界はそんなモノを孕んでいて

肺腑が酸素を取り込んだ残りの空気で彼は、ことばを声にする
瞬く咄嗟、ほころびの始点、以前の過程、遇えない成りゆき、遠方の備え、勝手に偉大、
酔狂の便乗、脅威のしじま、胡散臭い悦、迫り来る無知、平穏のむきだし、
無愛想な界隈、理想の不意、他者と幸福、時間の風・・・今までの絵のタイトルだ

制作のとき
言葉と絵はある時から二人三脚をはじめ、ペースをあわせる、のだろうか
言葉がとまってからも、絵はその先へ走り続ける

残されたことばの組み合わせが、絵の奥行き感を、さらに後押しする
言葉の意味を越えてイメージを移行させる

「空回る傍観」、今回の展覧会のタイトル・・・

空回り
    動力にならずに無駄に回っている・・・
     どうどうめぐりの状態

傍観
    かかずらうことなく、そばで見ている
    物事の成り行きを自分の力では変えようとしない
    なにもせずに、みている

しぜんのシステムに乗っかって、ココまで来て。
それでいて、まだ、しぜんのすごさに気づけずにいる我々が、
まるで他人の運命を見るように傍観しながら、
猛威を振るうしぜんのまえで空回りしていることを伝えたいのか

それの組み合わせの意味合いは辞書にはなく、白い壁面に飾られた
絵を体感していただくしかない

※全文提供: ギャラリーモーニング


会期: 2011年10月18日(火)〜2011年10月30日(日)
会場: ギャラリーモーニング

最終更新 2011年 10月 18日
 

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