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児玉香織・澤柳英行 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 8月 02日

澤柳英行 《Terror of Spontaneous Human Combustion》2009年|stainless, gut | 119.5×114.5×0.15cm(影:138×170cm)| 画像提供:レントゲンヴェルケ | Copyright© Hideyuki SAWAYANAGI

方眼紙にもつれるように描かれる無数の線。
めまいを起こしかねないラインを追って行くと、少しずつパスタ、エビ、ほうれん草といった「食物」が見えてくる。しかし、そこには味もない、 歯ごたえもない、栄養もない。ただ、輪郭によって存在が明らかにされているのである。

一方メタルの板にうがたれた無数の穴。
ドットに落とし込まれた図像は、光の中で陰を帯びることによって再び浮かび上がる。輪郭も曖昧で、光や角度によって見え隠れする様は、存在の 危うさを象徴する。

食物や料理の形状を独自の冷静な視線で捉え、精緻な線で描き切る児玉香織と、点に落とし込むことによって一度図像を抽象化し、立体さがならに 光と陰でその形状を再び浮き上がらせる澤柳英行。

二人はそれぞれにまったく違う方法で物の形をとらえ、制作しているが、唯一の共通点をあえて上げれば「グリッド」ということになるかもしれない。

方眼のつくるグリッド上にかかれた線、そして正確にグリッド上にあけられた穴、このグリッドを軸に、それぞれの方向性を指し示す二人の作品が ひとつの空間で競演する。

作家紹介
児玉香織(1986生)は、2009年に尾道大学芸術学部美術学科を卒業。方眼紙にペンで食物や料理の輪郭を細密に描いています。レントゲン ヴェルケではグループ展の出展を重ね、高橋コレクションへの収蔵、さらに海外のフェアでも注目を集めています。

澤柳英行(1966生)は、2001年にゴールドスミスカレッジの修士課程を終了後、ロンドンを活動拠点とし、ビデオ、写真、音響、鏡、残像 効果等、様々なメディアを用いたインスタレーション作品を発表してきました。

全文提供: レントゲンヴェルケ


会期: 2011年9月9日(金)-2011年10月1日(土)
会場: レントゲンヴェルケ
オープニングパーティー: 2011年9月9日(金)19:00~

最終更新 2011年 9月 09日
 

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