編集部ノート
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執筆: 田中 みずき
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公開日: 2011年 8月 05日 |
会場に入ると、まず目に入るドアの模型。プレートに「おかめぷろ」と書かれている。謎のプロダクションに潜入である。 注目したいのは、手のひらに乗りそうな小さなキャンバスと、壁一面に広がる大きなキャンバスの2つの絵画。2作品ともモチーフは全く同じで、物干し竿の後ろに二本足で立つ黄色の猫だ。落書きのような線で、漫画のキャラクターのような猫が描かれている。しかし、作品のサイズによって、両者は全く同じ図柄ながら、全く別の作品という印象を与える。一見するとシンプルな線も、よく見ると、細かい筆致で丁寧に何度も筆を加えて描かれていることがわかる。個性を廃した「プロダクション」の作品かと思いきや、長い時間の手作業の後が見られ、プロダクションと作家の違いや、アニメと美術作品との違いについて考えさせられていく。ポップな作風の背後に秘められた堅実なコンセプトが面白い。
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最終更新 2011年 8月 01日 |