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門田光雅:Mimic
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 7月 27日

画像提供:SATOSHI KOYAMA GALLERY | Copyright© Mitsumasa KADOTA

門田は、キャリアの長きに渡り、相反する概念とその境界について、技法的な視点および社会的な視点をテーマとして取り組み、専ら抽象絵画を表現として追求する稀有の若手作家です。

近年まで取り組んできた白と黒の境界としてのグレーという概念から一転し、モノクロと極彩色の非日常的な組み合わせを、大胆かつ繊細なタッチで表現しています。鮮やかなショッキングな色に見とれているうちに、普段見慣れたはずのモノトーンの色彩が、どこか不自然に見えてしまう時、どことなく不安な感覚に襲われます。こうした、色彩や形状から現代の社会性を表現しようとする一貫した門田の姿勢には、他者の安易な追随を許さない断固とした気高さすら感じます。

本展では大型作品も数点制作しております。抽象画の醍醐味とも言える、空間を占有する大画面の色彩美の世界と、その裏に込められた社会的メッセージを、お楽しみ頂ければ幸いです。

今日に紛れもなく起こっている嘘のような出来事。
私たちが存在するはずのこの場所は、
全く知らない現実の姿を浮き彫りにしている。

何の変哲も無いと思われていた日常は、
得体の知れない怪物の背中の上にあったのだ。

ミミックとは、擬態と言う周囲に合わせて変化する生物学上の言葉である。
目の前の景色に溶け込んだ巧みな嘘がほころび始めている。

そんな時代の中でさらけ出される
私たち自身の姿も一体どのように映るのだろうか。

門田 光雅 (Mitsumasa KADOTA)
1980年静岡県生まれ。2002年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業。在学時より創作活動を開始し、現在東京都八王子市にアトリエを構え制作・発表を続けている。2005年、セゾン現代美術館東京事務所、SMMA FACTORYにて個展「TRICKSTER」を開催。2007年には「第26回損保ジャパン美術財団選抜奨励展」損保ジャパン東郷青児美術館、「ART TODAY 2007展」セゾン現代美術館へ出品。2008年、第23回ホルベイン・スカラシップ奨学者に認定。2011年VOCA展推薦。

主な個展
2010 「GRAY ZONE」/Sweet Emotion(東京・西麻布) 
2009 「俯瞰する樹形図」/youkobo ART SPACE(東京・西荻窪)
「色彩の火花」/LOOP HOLE(東京・府中)
2008 「さよならさんかく」/工房親(東京・恵比寿)
2005 「TRICKSTER」/セゾン現代美術館東京事務所 SMMA FACTORY(東京・大田区)

主なグループ展
2011 「voca2011 新しい平面の作家たち」/上野の森美術館(東京・上野)
2010 「青島国際美術際」/青島美術館(中国・青島)
2009 「ASYAAF2009 (Asian Students and Young Artists Art Festival)」/旧国軍機務司令部(韓国・ソウル)
「Rain Meets the Sun」/M.K.チュルリョーニス国立美術館(リトアニア、カウナス)
2007 「第26回損保ジャパン美術財団 選抜奨励展」/損保ジャパン東郷青児美術館(東京・新宿)
「ART TODAY 2007 門田光雅・渡辺依理」/セゾン現代美術館(長野・軽井沢)

受賞・奨学金
2002 東京造形大学 卒業制作展 ZOKEI賞 
2008 第23回ホルベイン・スカラシップ奨学生

学歴
2002 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業
2003 東京造形大学美術学科絵画専攻研究生修了

全文提供: SATOSHI KOYAMA GALLERY


会期: 2011年8月27日(土)-2011年9月24日(土)
会場: SATOSHI KOYAMA GALLERY
オープニングレセプション: 2011年8月27日(土)17:00 - 19:00

最終更新 2011年 8月 27日
 

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