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SCANDAL2
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 7月 25日

立木義浩 作品 | 画像提供:BLD Gallery | Copyright© Yoshihiro TATSUKI

1960年代にお互いを挑発するように刺激しあい時代を切り開いていった同世代のアーティストたち、寺山修司、宇野亜喜良、沢渡朔、立木義浩、森山大道の5名によるグループ展。

展示作品は、寺山修司へのオマージュ作品として制作された宇野亜喜良の新作ペインティングとオブジェ、寺山の「トマトケチャップ皇帝」や「ジャンケン戦争」の撮影を担当した沢渡朔の64年に発表された≪跳んでごらんプルーネ≫、65年に『カメラ毎日』でフォトストーリーとして56ページにも渡り発表された立木義浩の≪舌出し天使≫(寺山がエッセイを担当)、寺山が雑誌『俳句』でエッセイを連載することになり、森山大道に写真を依頼してきたのがきっかけで生まれ67年に『カメラ毎日』にて発表された森山の≪にっぽん劇場写真帖≫、そして76年ハンブルグにて撮影された寺山修司の写真作品≪ヨーロッパ版犬神家の人々≫など。

作家としてお互いに刺激しあい共鳴しつつ、個々の表現を確立していった5名の作家たちの作品を一同に集い展示します。是非この機会にご高覧下さい。

【出展作品】
宇野亜喜良 寺山修司へのオマージュ絵画、オブジェ(08-11年)
沢渡朔 ≪跳んでごらんプルーネ≫(64年)
立木義浩 ≪舌出し天使≫ (65年)
森山大道 ≪にっぽん劇場写真帖≫(67年)
寺山修司 ≪ヨーロッパ版犬神家の人々≫(『写真屋・寺山修司』より)(76年)

宇野亜喜良 (うの・あきら)
1934年愛知県生まれ。日本デザインセンター、スタジオ・イルフィルなどを経てフリーに。50年代から鬼才イラストレーターとして活躍し、65年横尾忠則、和田誠、山口はるみ、灘本唯人などと共に東京イラストレーターズ・クラブを設立。また寺山修司の舞台、宣伝美術を手がけ時代の寵児となった。イラストレーター以外にも舞台美術、芸術監督等も務めている。日宣美特選、日宣美会員賞、講談社出版文化賞挿絵賞を受賞。99年紫綬褒章受章。10年旭日小綬章受章。主な作品に66年『あの子』(今江祥智・文/理論社)、74年『宇野亜喜良の世界』(立風書房)、90年『LUNATICO』(新書館)、92年『ル・シネマ』(マガジンハウス)、03年『宇野亜喜良60年代ポスター集』(ブルース・インターアクションズ)、03年『MONO AQUIRAX +』(愛育社)、04年『白猫亭』(小学館)、04年『上海異人娼館』(寺山修司・原作/アートン)、08年『サロメ』(エクリ)、09年詩画集『ami』(ビリケン出版)、09年『少女からの手紙』(書苑新社)、09年『奥の横道』(幻戯書房)など。

沢渡朔 (さわたり・はじめ)
1940年東京都生まれ。日本大学芸術写真学科在学中より雑誌などの媒体で活動し始め、卒業後の63年に日本デザインセンターに入社。66年に独立し、広告、ファッション、ポートレートの分野で幅広く活躍。特に女性のポートレートで知られる。73年日本写真協会年度賞受賞。79年講談社出版文化賞写真賞受賞。主な写真集に、73年『少女アリス』(河出書房新社)、77年『NADIA』(ソノラマ写真選書)、09年『Kinky』(Akio Nagasawa Publishing)など。

立木義浩 (たつき・よしひろ)
1937年徳島県生まれ。58年東京写真短期大学(現・東京工芸大学)卒業後、「アドセンター」設立と同時にカメラマンとして参加。69年フリーとなり広告・雑誌・出版・映像など幅広い分野で活躍。代表作に70年『GIRL』(中央公論社)、『イヴたち』(サンケイ新聞社)、71年『私生活・加賀まり子』(毎日新聞社)、80年山口百恵自叙伝『蒼い時』(集英社)、82年『MY AMERICA』(集英社文庫)、90年『家族の肖像』(文藝春秋)など。

寺山修司 (てらやま・しゅうじ)
1935年青森県生まれ。県立青森高校時代より俳句に熱中する。54年早稲田大学教育学部入学後、「チエホフ祭」50首で第二回「五十首応募作品特選」(「短歌研究」)に選ばれ、中井英夫推薦のもとデビュー。59年ラジオドラマ「中村一郎」により民放会長賞受賞。以後、ラジオ、テレビ、演劇、映画と脚本、演出をもって活躍の場を拡げてゆく。67年演劇実験室「天井桟敷」を結成。その過激な虚構性は、全共闘運動と背反しつつ、60年代、70年代を領導した。83年肝硬変と腹膜炎のため敗血症を併発し逝去。代表著作に65年歌集『田園に死す』、67年『書を捨てよ、町へ出よう』、また映画に70年「トマトケチャップ皇帝」、71年「ジャンケン戦争」、75年「迷宮譚」、78年「草迷宮」、演劇に67年「青森県のせむし男」、「毛皮のマリー」、72年「人力飛行機ソロモンの組立て方」、78年「身毒丸」など多数。

森山大道 (もりやま・だいどう)
1938年大阪府生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て64年独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、67年《にっぽん劇場》で日本写真批評家協会新人賞受賞。68-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加し、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容された。67年日本写真批評家協会新人賞、83年日本写真協会年度賞、03年第44回毎日芸術賞などを受賞。ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど、世界的評価も高い。現在、国立国際美術館(大阪)にて大規模な展覧会開催中。代表作に72年『写真よさようなら』(写真公論社)、72年『狩人』(中央公論社)、82年『光と影』(冬樹社)、93-97年『Daido-hysteric』(Hysteric Glamour)、02年『新宿+』『大阪+』(月曜社)、08年『ハワイ』(月曜社)、07年より『記録』(Akio Nagasawa Publishing)、08年『HOKKAIDO』(Rat Hole Gallery)など。

全文提供: BLD Gallery


会期: 2011年9月9日(金)-2011年10月4日(火)
会場: BLD Gallery
オープニング・レセプション: 2010年9月9日(金)19:00~

最終更新 2011年 9月 09日
 

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