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吉野辰海 展
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2011年 6月 26日

画像提供:ギャラリー58

立体8点とドローイング15点。60年代から活動し、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズに参加していた作家の個展である。

中でも、立体作品が鮮烈だ。身体の華奢な、少女のような裸体像の頭部にあるのは、左右半分ずつを犬と象の顔で分けた、ショッキングピンクの巨大な頭部。犬の顔の背後に象の顔がついており、少し首を曲げている。身体の向きと合わせて考えると、正面がどちらか迷ってしまうだろう。まじまじと見入ってしまう、舌を出したり俯いたりする犬と、目を半開きにしたような象の頭部。これが白い肌の女性裸体の上にある様は、禍々しくエロティックだ。ドローイングも、立体に繋がる犬の顔と人間の女性の身体の像。長年同じモチーフを手掛けてきた作家の、同モチーフながらパワフルな新作を味わえるのが楽しい。

最終更新 2015年 10月 31日
 

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