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西山裕希子:室内模様 ”scene in a room”
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 10日

画像提供:スタンディングパインキューブ | Copyright © Yukiko Nishiyama

京都で制作活動を行い、名古屋では初個展となります西山裕希子の作品をご紹介致します。

日本の伝統的な染織技法である「ろうけつ染め」で描かれた繊細な線描には、シンプルな表現の中にも高貴で優美な世界を堪能できます。

アーティストステートメント
人の精神には自己の存在を形づくる輪郭や領域といったものが存在すると考えています。しかし自己と他者の間にある精神的距離はときに境界が曖昧になり、混乱を引き起こす事も少なからずあります。

私はこのような人々の間にある精神的距離の曖昧さや緊張、揺らぎや不安定さとは何なのか関心を寄せています。この関心をもとに、人々の間にある精神的距離、その中での他者へのイメージの投影や同一化、その交錯した状況をストーリー性のある場面、ナラティヴに置き換えることで、普段と異なる角度から世界を捉え直し、人の姿を描いています。

また近作では、意識的に女性の姿を描いています。女性の姿は、たとえば神話に登場する女神や寓話的な女性など、象徴的な図像イメージを持ち、絵画に様々な形で表されてきました。またそれら西洋絵画の伝統的なモチーフは、手工芸品にも図像として用いられ、社会的背景も含め「手工芸をする女性の姿」は絵画にも描かれています。私はこのように領域を交差する事に関心を持ち、女性像を共通項に女性の姿を工芸的技法によって描いています。

これらの関心と手法をもとに、人々の間にある精神的距離に対するナラティヴと、歴史上の寓話や物語それをもとに描かれた絵画との間に共通するイメージについて考え、現実の中で様々な関係性が複雑に交差していながら、それらが表層的な重なりである為の危うさや緊張感をもった、現代の人々の精神を反映する女性の姿を描こうとしています。

そしてこれらの作品が、眼前の世界に起きている事への気づきを呼び起こす、私たちが生きている世界に起きていることを映す鏡のようになれば、と考えています。

西山裕希子
2003  京都市立芸術大学大学院美術研究科染織専攻 修了
現 在  京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程油画領域 在籍

個 展
2001  アートスペース虹(京都)
2005 「seeing with blind eyes」大阪府立現代美術センター(大阪)
2009 「鏡のすき間」PANTALOON(大阪)
2010 「a suite - 組曲 -」neutron kyoto(京都)〔05、03年〕
「portrait」Showcase / MEGUMI OGITA GALLERY(東京)

主なグループ展
2002 「2002 京展」京都市美術館(京都)
2003  「ART CAMP in CASO」海岸通ギャラリーCASO(大阪)
2005 「群馬青年ビエンナーレ'05」群馬県立近代美術館(群馬)
2008  「わざゼミ報告展」京都芸術センター(京都)〔2007年よりゼミ参加〕
「P&E」ARTCOURT Gallery(大阪)
「ACG Eyes 映像とドローイング -narrative-」ARTCOURT Gallery(大阪)
「糊と蝋それぞれの表現」染・清流館(京都)
2009  「ART CAMP」〔招待作家〕ギャラリーヤマグチ クンストバウ(大阪)
「清流展」染・清流館(京都)
「青参道アートフェア」IOSSELLIANI T-02-IOS(東京)
2010  「VOCA展 2010 -新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)」

賞 歴
2002 「京都市立芸術大学制作展」市長賞 京都市美術館(京都)
2004 「第1回現代美術コンクール―出会い系サイトとしての美術:森村泰昌とともに鍛える、あなたの表現」グランプリ 大阪府立現代美術センター(大阪)

全文提供: スタンディングパインキューブ/p>


会期: 2011年6月12日(日)-2011年7月3日(日)
会場: スタンディングパインキューブ
オープニングパーティー: 2011年6月12日(日)18:00~

最終更新 2011年 6月 12日
 

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