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堂東由佳:呑気な時間、嫌な予感
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2011年 6月 03日

《carefree days..., with a bad feeling》
2011年シルクスクリーン
Copyright© Yuka Doutou
画像提供:GALLERY IND.

    嘔吐する猫、下痢する猫、発熱する猫・・・。かわいらしいはずの猫が苦しんでいる。それも画面いっぱいに埋め尽くされたすべての猫が同じような症状なのである。遠目に見ると紋様や装飾的パターンを思わせる図像の連続と反復だが、近づいて見れば大量の苦しむ猫を発見することになる予想を裏切る「発見」にユーモアがある。
    これら大量の猫のイメージはコピー&ペーストによって制作されたものだという。つまり、画面に描かれるイメージすべてを描いてはおらず、一部の画面を反復ないしは、変型・加工することで制作されているのだ。また、A4サイズほどの小さな作品では、余白を生かした落書き風なタッチで猫が描かれているが、こちらもコピー&ペーストにより、一部のイメージに圧縮や変形を加えることで、制作されている。
    モチーフは同じであるにも関わらず、同じものに見えないのは、過剰に増殖されたイメージの反復さゆえだろうか。

最終更新 2011年 6月 03日
 

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