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出店久夫:写真画考
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 5月 30日

画像提供:SOH GALLERY K3 | Copyright© Hisao Demise

出店久夫は1945年福井県に生まれました。京都市立日吉ヶ丘高校美術コースで洋画を学び、その後はスペイン国立アカデミー、シルクロ・ベジャス・アルテスにも学んでいます。

出店は写真製版会社でレタッチマンとして働いたり、プロラボでプリンターとてして働いていた経験があります。

美術を学び、写真を仕事として経験してきたものを融合していく中から、現在のような作品を形作ってきたのは興味深い事と思われます。

後述の出店のコメントとしてもありますように、従来から彼が行ってきた「写真に撮ったものをコラージュし、更に写真として撮影する」と言う方法を、更にシンプルにした作品を展示致します。

出店の作品はまるでデジタル作品のようにしか思えない作品ですが、実際は一つ一つを緻密に手作業で作り、それをコラージュしたものを撮影し彩色し、と綿密な行程を経て作品化されています。 今回発表する作品は、敢えてデジタル的に見えるものではなく、写真の持つ色彩や深みを感じさせるものとなっています。

今回のSOH GALLERY K3の個展では、今までの制作方法を見直し、よりシンプルな表現方法にて発表致します。

これまではコラージュ画をネガ撮りする折にブレ流れを取り込む技法にて出来たネガを正・負反転プリントを繰り返して、その上に又コラージュをする複雑怪奇な手法でした。

今回は、コラージュ画を6×7カメラでストレートにネガ撮りして、プリントする写真作品です。

印画紙は、現在手に入れられるイギリス、フランス、チェコの最高級バライタ紙を使用しています、彩色はおさえて、空の部分のみにして、モノクロ銀粒子の奥深い美しさを楽しんでいただけると思います。

四つ切より半切・メーター物までのプリント作品、大・小取りまぜ10点の作品で、会場は構成されます。作品映像は今の時代を反映して崩壊感覚に満ちていますが、幼子の姿に託して、再生と希望を表現しています。

私の作品はコラージュによる虚構写真です。写真とも絵画とも言えぬ物ですが、写真の持つ虚構性を最大限に引き出した作品です。

画面に実在感(リアリティ)を持たせる為にも、デジタル技法を使う事なく手作業での表現を深め追い続けております。

全文提供: SOH GALLERY K3


会期: 2011年6月3日(金)-2011年6月26日(日)
会場: SOH GALLERY K3
オープニング: 2011年6月3日(金)17:00~

最終更新 2011年 6月 03日
 

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