| EN |

KOKOROのかたち―勅使河原茜の花
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 5月 16日

勅使河原茜 作品
(自作陶器花器に國枝啓司育種の和ばら「茜」)
撮影=小澤忠恭
画像提供:財団法人草月会

草月流第四代家元、勅使河原茜の家元継承10年記念となる個展。

勅使河原茜コメント
このたび4 年ぶりとなる個展『KOKORO のかたち』を開催いたします。
この展覧会では、2001 年の家元継承から10 年間の歩みを、植物と自作花器を用いて表現しようと準備を進めてまいりました。しかし、先の東北、関東地方を襲った未曾有の大震災と福島での原発事故は、積み重ねてきた私のおもいをも粉々にしてしまいました。
いまだに多くの方々が苦しみの状態にある中で、今自分は何を表現すべきなのだろうか―。迷う私の頭の中によみがえってきたのは、豪雪に身をしなわせて耐え忍ぶ竹の姿でした。私の父・宏は、竹の変幻自在な力強さに魅せられ創造の道を切り拓いてきた人間でした。そして今、私も同じように竹の生命力に一筋の希望の光を見出しています。雪解けとともにしなやかに立ち上がる竹の姿に、力強く再生する命のかたちを重ねて、私なりの被災地復興への祈りを表現したいと思います。
植物で描き出す命のかたちが、皆様の眼差しの中にわずかでも希望の光をともすことができれば、と心から願っています。

勅使河原茜(てしがはら あかね)プロフィール
1960年に第三代家元で映画監督の勅使河原宏の次女として生まれる。祖父は初代家元の蒼風(そうふう)、叔母の第二代家元・霞からはいけばなの手ほどきを受けて育つ。多くのアーティストが絶え間なく出入りする芸術的環境の中で薫陶をうけた茜は、「自由な創造」を大切にする草月のリーダーとして、「いけばなは決して堅苦しいものではなく、現代を生きる私たちの身近な表現手段であることを多くの人たちに伝えたい」と、2000年から6年間にわたり東京・表参道で『草月・花Avenue』を企画・プロデュース、また東京国際フォーラム、六本木ヒルズなどさまざまな空間で作品を発表し、新たないけばなの追究に意欲を見せている。さらに、いけばなを通じて子どもの感性を培うために「茜ジュニアクラス」を開講し、指導に力を注ぐ一方で、舞台美術、ジュエリーデザインをはじめ様々な分野に活躍の場を広げ、また、ダンサー、ミュージシャン、書家など他分野アーティストとのコラボレーションにも積極的に取り組むなど、みずみずしい感性で敏感に時代をとらえた独自の世界を築いている。2011年に家元継承10年を迎える。

※全文提供: 財団法人草月会


会期: 2011年5月31日(火)-2011年6月5日(日)
会場: スパイラル

最終更新 2011年 5月 31日
 

関連情報


| EN |