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廣瀬智央 展:官能の庭
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2008年 11月 28日

"Pilllilli Livia" (detail), 2008, illlttura Murae dea Va ddetaMuseo Nazonae Romano ae Terme, Rome copy right(c) 2008 Satoshi Hirose. Courtesy of Tomio Koyama Gallery

廣瀬智央は、私たちの身近にある素材を使って、見ることだけではなく、匂うこと、食べること、触ること、といった感覚全てに訴えかけるインスタレーションを行います。15年以上ミラノで生活している廣瀬にとって、古いものと新しいもの、多様な文化が軽やかに交差する場こそが作品であるという考え方は、自然に生まれたものなのかもしれません。日常生活の中にある無限の宇宙を感じるために、廣瀬はいくつものアプローチを重ねます。 「家」シリーズでは蜜蝋やスパイス、オレンジなど、嗅覚に訴える様々な素材を用いて、どこにでも持ち運び可能なそれらの家を作りました。同じく通底するテーマのひとつである「旅」の作品には、作家自身が機上の人となって旅する中で、世界各地を通過しながら撮り続けた空の写真のシリーズ"Viaggio"もあります。鑑賞者である我々は、自分自身が身体のあらゆる機能から複雑な信号を受け取りながら、日々生活していることに気づかされます。 【この展覧会について】 本展のタイトル『官能の庭』は、イタリアの作家マリオ・プラーツの著作から引用されています。「Untitled ( 豆のコスモロジー) 」と名付けられた、豆とワックスを使った絵画作品、大理石に水を張りシネラリアの花を浮かべた彫刻作品、またヴァンジ彫刻庭園美術館の展示でも出展された『オレンジの樹の家』のシリーズ、ドローイングなど、包括的なインスタレーションが展示されます。 【作家プロフィール】 廣瀬智央は1963年東京都生まれ。1989年、多摩美術大学卒業。1991年イタリア政府給費奨学生として渡伊、1997年ブレラ美術アカデミー(ミラノ) を修了しました。現在もミラノと東京を拠点に活動を行っています。 主な展覧会に、「レモンプロジェクト03」(97年、ザ・ギンザアートスペース、東京)、「パラディーゾ」(98年、水戸芸術館、茨城)、「2001」(00年、広島市現代美術館、広島)、「先立未来」(01年、ルイジ・ペッチ現代美術センター、プラトー)、「ネオトウキョウ」(01年、シドニー現代美術館、シドニー) 、「トラベラー」(03年、ニコラフォルネッロ・ギャラリー、トリノ)、「オフィッチーナ・アジア」(04年、ボローニャ近代美術館ほか)、「空にふれるまでのあいだ」(06年、ヴァンジ彫刻庭園美術館、三島)、「ミクロコスモス」(08年、ウンベルト・ディ・マリーノ・ギャラリー、ナポリ) などがあります。 小山登美夫ギャラリーでは2001年の個展「day, day, day… 」以降、06年の「Blue Box」発表を経て、2度目の個展です。
※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2008年 11月 29日
 

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