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Exhibition ACkid 2011
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 4月 22日

本多真理子 作品
画像提供:アネックスギャラリー

本多真理子、中村陽子、勝又豊子、李容旭、関直美、島田忠幸、ヒグマ春夫らによるグループ展。

本多真理子/Honda Mariko
私は2005年より「Red Line Connection」のタイトルで赤い糸を空間に絡め、そこに人と人、人とモノとの関係や時の経過、その軌跡を具現化してきました。作品も昨年#15となり、表現空間のスケールによって長さ200mの毛糸で表現した作品から屋外での約4000m毛糸を要した作品もありました。各展示終了後、回収可能だった毛糸は「標本」と題し、糸塊をいろいろな動物の頭部の形にフエルト化することを最終型としています。 写真は、赤い毛糸の「強さ」の可能性を30kgの銀塊を吊っているさまで表現しています。撚った糸の強さ、収束した糸の強さを。

中村陽子/NAKAMURA Yoko
1998年~2010年の間、私はアクリル絵の具をキャンバスに流し込み、指、手の甲またはヘラなどを用い、それらの絵の具を身体表現的な動作で一気に定着させ、偶然および必然的なリズムのなかで作品を作り続けてきました。 今回の作品はこの12年間の平面での作業を石膏材で表面を封印し、石膏材の下に隠された造形物を再び呼び起こすべく作業を繰り返した。 まるで過去の記憶に触れるように、何かが現れては消えてゆく・・

勝又豊子/KATSUMATA Toyoko
私の作品の中で、人間の身体はいつも重要な位置を占めている。 これまでは身体の拡大された部分が見る人の眼をあざむいて、少し違 った世界に導いてくれる、ということが大きなテーマであった。 現在、私という身体をレンズで覗き、被写体として写し出された自己の身体は或る時は 廃墟 の中に佇み、一部分と化す。或る時は拒絶したように立ち尽くす。さまざまな レンズの 角度で 提示されることにより、見る人は覆い隠されたさまざまな感覚をよみがえらせることができる。 又一方、身体の一部である皮膚の表面の痕跡、印 を延々と描き続けることが、 私の絵画へのアプローチであり、 絵画性を意識した 三次元的場の表出を模索し続けたい。

李容旭/Lee Yong uk
映像と美術のはざまを往来しながら制作活動をしている。今回の平面作品は写真(多摩川)をベースにしている。切り取られた自然対象とそのイメージに重ね合う思いの断片を重層化していく時間と空間のクロッシング。
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水は幼いごろから身近な遊びの相手であった。川辺の魚取りも楽しい。でも水には落ちつかない怖さを覚える。溺れそうになったからだけではないようだ。とても一人では近寄りにくい。
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2011年3月11日はみずの暴力でも言うべきか。太陽に照らされた平穏な海は痛々しい。

関直美/SEKI Naomi
小春日和に、気仙沼のリアスアーク美術館を訪れた。小高い丘にあるそこからは、港が見え隠れしている。早速漁港にまわると、マグロ船やイカ釣り船が停泊しており、地元に混ざって八戸、北海道、富山からの船舶も寄港している。ホヤ(保火)が提灯のように並んでいるイカ釣り船の仕掛け。ロマンじゃないか!近海はもとより遠く何カ月も海原で仕事をする男たちに夢を馳せた。のに、たった1週間の後、過去最大の巨大地震は気仙沼をも襲った。舐めるように走った大津波は壊滅的な被害をもたらした。ああ、美術は何もできない、多いにへこんでいる。が、上を向くしかない。リアスアーク美術館の皆さんをはじめとして多くの方々に心より災害お見舞い申し上げます。

島田忠幸/SHIMADA Tadayuki
鑑賞者とアーチストの関係を繋ぐのは見るという行為しかない、見る者として強烈な刺激を受けることが作り手としての出発点、見ると作るは、表裏一体なのだと思っている。 さて、犬の鎧のように見えるが、私は決して鎧を作っているわけでは無い。アルミニウムの板を鍛金技法で成形し、あえて閉じないことでその内部が良く見える虚の空間として、また表面は叩くことで鍛えられ無数の波紋はより存在感として時間と行為が見えてくる、この二つを融合させたのが今の私の仕事です。それは、そこにあるであろう生命の陰を覆う装置として、見る側がその虚の空間を自分の思いで埋めていく。つまり見えないものを存在として感じる彫刻を作っているのです。さてさて、今回の作品は2体の犬が結合するとどうなるのかな?

ヒグマ春夫/HIGUMA Haruo
サン・ヴァンサン大聖堂を中心としたサン・マロの旧市街は12世紀に築かれた城塞にぐるりと囲まれ、豪華な石造りの建物が軒を連ねている。城壁の上は散策できる。ダンサーのマリーに案内され城壁の上を一周した。そのあと干潮の砂浜を2km近く歩いた。砂浜には大きな丸太木が防波堤として打ち込んである。満潮では海面しか見えないが、干潮では丸太木の姿が露になる。丸太木を使ったインスタレーション作品に見える。海水に腐食された丸太木の表面は凹凸が激しくて美しい。そう思って撮った50枚の写真が今回のモチーフになっている。この海岸は潮の満ち干の差が 4~5メートルになるという。またサン・マロは世界的なヨットレースでも有名なところらしい。


会期: 2011年4月10日(日)-2011年4月25日(月)
会場: アネックスギャラリー

最終更新 2011年 4月 10日
 

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