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せいめいのれきし
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 4月 06日

《サン・トワ・マミー》2011年
(sculpture部分)利部志穂|撮影:若林勇人
画像提供:アキバタマビ21

07年多摩美術大学大学院彫刻専攻を修了した利部志穂(かがぶ・しほ)がキュレーション役となり、「せいめいのれきし」を感じさせる作家を選定するとともに、空間自体をつくりあげる展示を行います。

「せいめい のれきし」
長い長い宇宙の成り立ちの時間。
何億、何兆という星の集まりである、銀河系と呼ばれる星雲のひとつである
太陽が生まれ、生命が始まってから。
日光によって、生命が誕生し、人へと変化してからの、とても短い時間。
歴史として人間を捉える。
自らの一生は長く、全てと、感じる一方で今までの宇宙の発生からの時間にとっては、一瞬に過ぎない。
遠くと近くの視点をもって世界を見る。
個人の物語では、留まることのない、その外側。
それぞれの作品によって向かうイメージやストーリーのその先へここで展示する10人の作品(あるいは視点)は、一見して違う見た目や方法をしているのだけど、何か共通する、ある一定の緊迫感を持つ。
それは、きっと、今ある美術とか、アートとか、そういった言葉の中でどう位置づけられるか。とか今いる人の幸せのためにとか。
そういう、即効性のあるものではないかもしれない。
けれど、いつの時代にも、どんな状況でも、全てのものに共通する、存在や気配があると私は思う。それらは、もしかしたら人間の世界の、今ある言語ではたどり着けないかもしれない。
だからこそ、誰にも寄らない、地上の全てのものを、全く包まない、と同時に包んでくれる厚い包容力を感じる。
少なくとも私には、そういう存在が自分の生きている場所の同じ、地平線上にあると思うだけで、なんとか今日を起き上がる動機の一端として、作用してくれる。
彼らは、そんな感傷的な私の想いなんかとは、全く関係なく、熱く命を燃やし、それぞれの見えるものを、ただ、見えない要請に従って、追い続ける。
私もまた、そうありたいと、また、強く拒絶する日々をただ、見据えていく。
目が瞑れてもかまわない、真理に触れることができるなら。
初めて出会った時に感じた、好きとか嫌いとかわからないどうしたらいいのかわからない。どうにもならないような感動を。
ただ、静かに、強く、追い求める。

-2011.04 利部志穂

参加作家
利部志穂、若林勇人、荒川徹、横倉裕司、中谷みちこ、川西隆史、大室佑介、高内陽彩、井出賢嗣、野沢裕

シンポジウム参加者
沢山遼、石川卓磨
コーディネイト:結城加代子 Kayoko Yuki/デザイン:CRAFTIVE

関連イベント
・ オープニングレセプション:2011年4月23日(土)18:00 - 20:00

・ シンポジウム「情動のスケール」:2011年5月14日(土)17:00 - 19:00
パネリスト:荒川徹(司会)、沢山遼、石川卓磨
泣いたり震えたりする人間や動物の体の変化=〈情動〉を、感情をもたない人間以外のモノや自然のスケールに適用したときに見えてくる、人間と非人間のつながりを現代芸術から考えます。

・ ライブパフォーマンス:2011年5月7日(土)17:00 -

※全文提供: アキバタマビ21


会期: 2011年4月23日(土)-2011年5月22日(日)
会場: アキバタマビ21

最終更新 2011年 4月 23日
 

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